チャーリー・ヘイデン&パット・メセニー 『ミズーリの空高く』 Charlie Haden & Pat Metheny “Beyond The Missouri Sky (Short Stories)” 059


チャーリー・ヘイデンのベースとパット・メセニーのギターの織り成す静謐な雰囲気が、味わい深い。二人に爪弾かれる弦の音色に包まれ、穏やかな情感と伸びやかな開放感に癒されます。特に秀逸なのは、ヘイデンの息子作曲の#13 “Spiritual”。やわらかに流れ、消えゆく音色の浮遊感、魂が解き放たれます、ミズーリの空高く……。

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ビル・エヴァンス&ジム・ホール 『アンダー・カレント』 Bill Evans & Jim Hall “Undercurrent” 072


水面下にたゆたう女性の美しく幻想的なジャケットが素晴らしい。「Undercurrent」とは「底流」の意。通常スローバラードとして演奏される「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」をアップテンポなピアノとギターの二重奏アレンジにした#1 “My Funny Valentine” は名演として名高く、渾然一体となってうねる完成度の高いインタープレイに圧倒されます。その他の曲では、ミディアムテンポのゆったりとした演奏に身を任せましょう。ビル・エバンスのピアノとジム・ホールのギターというシンプルな共鳴が、波紋のように広がり、品のあるロマンティシズムを漂わせます。

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チャーリー・ヘイデン&ケニー・バロン 『ナイト・アンド・ザ・シティ』 Charlie Haden & Kenny Barron “Night and The City” 115


チャーリー・ヘイデンのベースとケニー・バロンのピアノが奏でる渋く静謐なデュオ作品。ライブ録音ですが演奏に落ち着きが感じられ、完成度の高いスタジオ録音のよう。ちなみに、ジャケットに使われてる絵はアメリカの女流画家ジョージア・オキーフのもの。秋の夜長にでもゆったりと聴くのにちょうどよい、大人のための味わい深い一枚です。

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チック・コリア&上原ひろみ 『デュエット』 Chick Corea & Hiromi “Duet” 167


東京青山にあるブルーノートでのチック・コリアと上原ひろみの二人のピアニストのライブ。終始、向かい合ってにこやかな表情を浮かべる二人の連弾。お互い演奏を心から楽しんでいるよう。チック・コリアが曲の骨子を組み立て、上原がそれに合わせて魅力的なフレーズを繰り出します。巨匠に臆することなくエモーショナルな演奏を披露する上原の集中力は素晴らしい。チック・コリアもさすが大御所といった堂々たる貫禄で存在感を示し続けます。演目は “Summertime”、“Deja vu”、“Spain” など――このライブを収録したアルバムが『Duet』。このスペシャルな夜、会場に居合わせたことに感謝。

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