ウェス・モンゴメリー 『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』 Wes Montgomery “A Day in the Life” 071


#1 “A Day in the Life” 「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」……そうです、ビートルズの。#6 には、“Eleanor Rigby” 「エレノア・リグビー」まであります。他にも#3 “When a Man Loves a Woman” 「男が女を愛する時」などロックやポップスからの選曲、ストリングスを採り入れるなど新鮮味のあるアレンジが魅力的。ウェス・モンゴメリーのギターのタッチも軽やかにイージーリスニング ジャズを奏でます。この楽天的な「イージー」な感じが、昼下がりのカフェに似合いそうなおしゃれ感をかもし出しています。

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ジム・ホール 『アランフェス協奏曲』 Jim Hall “Concierto” 073


#4 “Concierto de Aranjuez” 「アンフェラス協奏曲」とは、スペインの作曲家ホアキン・ロドリーゴの「ギターとオーケストラのための協奏曲」で、マイルス・デイビスが『Sketches of Spain』で採り上げたことからジャズでも広く演奏されるようになりました。チェット・ベイカー(tp)、ポール・デズモンド(as)のソフトな音色に、ロン・カーター(b)、スティーブ・ガッド(ds)の重みのあるリズム、ローランド・ハナ(p)が華を添え、ジム・ホール(g)の爪弾く弦の調べが哀愁を誘います。イージーリスニング路線で成功を収めたCTIレーベルですが、本作品が同レーベルで最大のセールスを記録しているそうです。

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ウェス・モンゴメリー 『フル・ハウス』 Wes Montgomery “Full House” 074


カリフォルニアの「ツボ」クラブでのライブ録音。#1 “Full House” から鮮やかなギターの音色も軽快にノリの良い演奏が始まります。ウィントン・ケリー(p)やジョニー・グリフィン(ts)との相性も良く、聴衆も一体となってこのライブを楽しんでる様子が伝わってきます。全体的にメンバーそれぞれの余裕をもったプレイが印象的で、絶妙な間をもった掛け合いと、そこに聴衆の程よい反応も加わり、ジャズらしいグルーブ感が心地よい名盤です。

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ジャンゴ・ラインハルト 『ジャンゴロジー』 Django Reinhardt “Djangology” 084


とにかく、アーリージャズだからと倦厭しないで聴いてみてください。懐かしく切ないギターとヴァイオリンが奏でる哀愁……たまらないですよ。ジャンゴ・ラインハルトは、父はヴァイオリン弾き、母は歌手で踊り子というジプシーの芸人一家に生まれ、欧州を巡る旅から旅へのキャラバン生活で育ちました。10歳の頃よりパリでミュージシャンと交流が始まり、アメリカのジャズに惹かれギターを志すようになります。キャラバンの火事で左手の指2本が動かなくなるという不幸も克服し、人気を獲得。このアルバムは、ステファン・グラペッリ(ヴァイオリン)など気心知れた仲間とステージ開演前に録音されたものだとか。ヨーロッパ特有の品のあるスウィングを是非お試しあれ。

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高柳昌行と新世紀音楽研究所 『銀巴里セッション』 Masayuki Takayanagi “Ginparis Session” 140


静寂の森から鼓動を響かせ、やがてその姿をあらわす#1 “Green Sleeves”。高柳昌行は朗々とギターを爪弾き、魂をむき出しにするような演奏で聴く者を圧倒する。演奏が止まってしまうのではないか……。ハラハラさせる緊張感をはらみながらゆっくりと進んでゆく#2 “Nardis”。菊地雅章が虫の羽音のような唸り声を上げ続けている。日野皓正のトランペットが高らかに鳴り響く#3 “If I Were Bell”。浮遊する音で描く幻想的な光景#4 “Obstruction”。高柳昌行、金井英人、菊地雅章、冨樫雅彦、日野皓正、山下洋輔……、のちにその名を轟かす若き逸材達による『銀巴里セッション』。1963年6月26日、深夜の記録。

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