デューク・ジョーダン 『フライト・トゥ・デンマーク』 Duke Jordan “Flight To Denmark” 049


デンマークの雪景色はこんなにも美しいのでしょうか。ピアノから舞い上がる音の結晶は透きとおり、うっすらと積もりゆく旋律は暖かい。#1 “No Problem” はデューク・ジョーダン作の有名曲「危険な関係のブルース」、続く#2 “Here’s That Rainy Day” 「ヒアズ・ザット・レイニー・デイ」の曲中、一瞬きらめく「ジングルベル」のフレーズがチャーミング。#3 “Everything Happens To Me” 「エブリシング・ハプンス・トゥ・ミー」はもう、心をあずけてゆっくりとろけましょう。オリジナルとスタンダードの配分と選曲が絶妙。真っ白な雪景色、心奪われる美しさと何故か心躍ってしまう魅力が、このアルバムにはあります。

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スタン・ゲッツ 『スタン・ゲッツ・プレイズ』 Stan Getz “Stan Getz Plays” 077


明るく穏やかでふくよかなテナーの音色は、BGMとして最適と言ったら怒られるでしょうか。でも、聴いていると心地よい演奏であることには間違いありません。1950年代、アメリカ東海岸の黒人を中心としたアーシーなジャズに対し、西海岸で白人を中心としたクールで爽やかなジャズ ムーブメントが、ウエストコースト ジャズ。本作は、「クールなのに暖かい」と言われる、その代表的な1枚です。ちなみにピアノはデューク・ジョーダン。

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バルネ・ウィラン 『バルネ』 Barney Wilen “Barney” 154


映画『死刑台のエレベーター』の音楽で一躍脚光を浴びたバルネ・ウィランのリーダーアルバム。ケニー・ドーハム(tp)、デューク・ジョーダン(p)をパリのクラブ・サンジェルマンに迎えたライブ。飄々としたケニー・ドーハム節が冴え渡り、独特の間を挟み込むデューク・ジョーダンのタッチに、若きバルネ・ウィランは自らを鼓舞するように朗々と吹き続けます。妖しく浮かび上がる華やかさと哀愁の陰影に魅惑される一枚です。なおCDには同日セッションの4曲が追加収録され、珍しく嬉しいボーナストラックとなっています。

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デューク・ジョーダン 『フライ・トウ・ジョーダン』 Duke Jordan “Flight To Jordan” 174


『Flight To Jordan』――デューク・ジョーダンの不遇のアメリカ時代にブルーノートで制作されたリーダーアルバム。タイトルの「Jordan」は、彼の名前と同じアルファベットの綴りの「ヨルダン」にかけて付けられています。「冗談」のような駄洒落です。彼はミュージシャンとしての生活が一時困窮し、タクシードライバーをしてしのぐという洒落にならない有様でした。また、ジョーダン作曲の仏映画『危険な関係』の主題曲「No Problem」(アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ演奏)がヒットするも、作曲者名未記載でトラブルとなり、全然「No Problem」じゃない状況になります。この曲は#6 “Si-Joya” と改題して本アルバムに収録されています。なんだか散々なエピソードばかり……。しかしその哀愁のある名曲と朴訥(ぼくとつ)とした演奏は海外では評価されており、60年代に渡欧。レコーディングでは70年代に復帰、名盤『Flight To Denmark』などを発表し活躍します。こだわりのタイトルが良かったようです。

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