ヘレン・メリル 『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』 Helen Merrill “Helen Merrill With Clifford Brown” 010


ジャケットを見ると激しくシャウトしてるようですが、中身はソフト。薄明かりのジャズバーでしっとりと歌うジャズシンガーというイメージにぴったりくるのではないでしょうか。リップノイズや息遣いも「大人の女」の雰囲気を漂わせ、彼女は「ニューヨークのため息」と称されています。デリケートに低く落ち着いた彼女の声と、夭折の天才クリフォード・ブラウンのブリリアントなトランペットとのコントラストや、アルバム構成など、若き日(当時21歳)のクインシー・ジョーンズによるプロデュースは、奇跡のように完璧。

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クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ・クインテット 『スタディ・イン・ブラウン』 Clifford Brown & Max Roach Quintet “Study in Brown” 014


マックス・ローチのドラミングにあおられて、ブラウニーが軽快に吹きまくり、メンバー一体となって駆け抜ける。嗚呼、このハードバップの格好良さ! #1 “Cherokee” 「チェロキー」の疾走感、#9 “Take the “A” Train” 「A列車で行こう」の汽車を模した表現も最高にクール。「チュニジアの夜」のようなアフロキューバン・ナンバー#5 “George’s Dilemma” 、#6 “Sandu” などクリフォード・ブラウン作の楽曲も魅力的です。ちなみに華麗なピアノを聴かせるリッチー・パウエルはバド・パウエルの弟。

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アート・ブレイキー 『バードランドの夜』 Art Blakey Quintet “Night at Birdland Vol.1 ,Vol.2” 064



1954年2月21日の夜、ジャズクラブ バードランド。ここでのライブ録音がハードバップの誕生、そしてジャズ・メッセンジャーズの結成へと歴史的に重要な意味をもつことになります――このクラブの名物司会者ピー・ウィー・マーケットのかん高い独特の声のアナウンスに導かれ演奏がスタート。順調な滑り出し、各メンバーが高水準の演奏を難なくこなしていく……、何だか完璧すぎて空恐ろしくなるほど。それぞれが気負っている感じがまったくなく、流れるように至上の演奏を展開していく様は、バードランドにジャズの神様が舞い降りたよう――

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クリフォード・ブラウン 『クリフォード・ブラウン・ウィズ・ストリングス』 Clifford Brown “Clifford Brown With Strings” 066


彼が交通事故で亡くなる1年半前、24歳で録音されたウィズ・ストリングスの決定盤です。この若さでバラード集、しかもウィズ・ストリングスを吹き込んでくれた重みを噛みしめたいです。せつないトランペットの音色が、ストリングスをバックに輝きます。品のあるプレイでしっとりと歌い上げるスタンダードの名曲の数々、胸に迫ります。

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