TVドキュメンタリー番組「情熱大陸」で彼女が取り上げられ、キリン「モルトスカッシュ」、YAMAHAなどのTVCM、「AERA」の表紙を飾るなど、もはや人気がジャズ界にとどまらない勢い。リアルタイムでこんな才能に出会えるなんて嬉しいかぎり。全曲、彼女のオリジナル。「超絶技巧を駆使するには自作曲じゃなきゃ」と語る彼女の頼もしさ。バークリー在学中に録音されたこのデビュー盤は、#1 “Xyz” からとんでもないジャズが始まります。まるでプログレッシブロックをジャズのフォーマットでやっているよう。デジタルな#5 “010101 (Binary System)” をはじめ、多様な音楽性を内包したジャズは、まったくもってユニークかつ斬新。髪の毛を逆立て、一心不乱にピアノを弾きまくりますが、天真爛漫な笑顔も見せてくれる新世代女性ピアニスト。これからが本当に楽しみ。(※本文は2004年執筆)
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上原ひろみ 『ブレイン』 Hiromi “Brain” 113
カンフー×ジャズ。なんとジャッキー・チェンとブルース・リーにインスパイアされて作られたという#1 “Kung-Fu World Champion”。超絶技巧を駆使し目にも止まらぬスピードで電子キーボード・ファイティング。ユニークなイマジネーション&クリエーションに度肝を抜かれます。#6 “Green Tea Farm” は故郷の静岡の茶畑をテーマに日本情緒を感じさせる佳曲。その他にも#2 “If…”、#3 “Wind Song” など晴れゆくような美しいフレーズが横溢するメロディックなアルバムです。
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上原ひろみ 『スパイラル』 Hiromi “Spiral” 114
祝! 2005年度 スイングジャーナル ジャズ・ディスク大賞 日本ジャズ賞受賞。衝撃のデビュー作『Another Mind』から数えて3作目。多様な音楽性とイマジネーションが交錯するオリジナルな世界観はもう堂に入ったもの。#1 “Spiral”、#2-#5 “Music for Three-Piece-Orchestra(組曲)”、#6 “Old Castle, by the river, in the middle of a forest” など、緻密に構成された壮大なピアニズムは感動的。
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上原ひろみ~Hiromi’s Sonicbloom 『タイム・コントロール』 Hiromi “Time Control” 147
待望の上原ひろみの第4作目『Time Control』。今までのピアノトリオ編成にエレクトリックギターを加え「Hiromi’s Sonicbloom」というバンド編成へ。ここで目指すのは、ジャズのみならず、プログレッシブ・ロック、現代音楽などを旺盛に吸収し、それらのエッセンスを発散させたヒロミサウンド。曲によってはピアノとギターがフロントに立つフュージョンバンドといった感じもあり、両楽器のメロディアスなアンサンブルも聴きどころ。
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チック・コリア&上原ひろみ 『デュエット』 Chick Corea & Hiromi “Duet” 167
東京青山にあるブルーノートでのチック・コリアと上原ひろみの二人のピアニストのライブ。終始、向かい合ってにこやかな表情を浮かべる二人の連弾。お互い演奏を心から楽しんでいるよう。チック・コリアが曲の骨子を組み立て、上原がそれに合わせて魅力的なフレーズを繰り出します。巨匠に臆することなくエモーショナルな演奏を披露する上原の集中力は素晴らしい。チック・コリアもさすが大御所といった堂々たる貫禄で存在感を示し続けます。演目は “Summertime”、“Deja vu”、“Spain” など――このライブを収録したアルバムが『Duet』。このスペシャルな夜、会場に居合わせたことに感謝。
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