アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ 『モーニン』 Art Blakey and The Jazz Messengers “Moanin” 005


ファンキージャズ! #2 “Moanin’” 「モーニン」はあまりにも有名。1961年来日した当時は社会的なブームになったとのこと。私が初めてこのアルバムを聴いたとき「ビートルズ以前に、こんなにカッコいい音楽やってた人たちがいるんだ!」と衝撃を受けたものです。また、ほとんどの場合ボーナストラックを不要と感じている私ですが、#1 “Warm-Up And Dialogue Between Lee And Rudy” にスタジオでのやりとりが収録されていて、これから始まる激しくファンキーな演奏の静かな前ぶれとなり、ゾクゾクしてしまいます。熱狂的ライブ盤『サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ』もおすすめ。

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ハンク・モブレー 『ディッピン』 Hank Mobley “Dippin'” 038


オレンジに塗りつぶされたジャケットがこれまた気合充分。全編にわたってノリの良いテナーを伸びやかに吹きまくります。それに負けじとトランペットやピアノの弾んだ演奏もイケてます。#1 “Dip” で時折みせるフレーズの鮮やかさ、ボサノバ調の有名曲#2 “Recado Bossa Nova” 「リカード・ボサ・ノバ」の哀愁のメロディと躍動感の絶妙なバランスはたまりません。バラードの#5 “I See Your Face Before Me” など感情表現も豊か。すっかりハンク・モブレーの虜になってしまったあなたにはブルーの名盤『Soul Station』もおすすめです。

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リー・モーガン 『キャンディ』 Lee Morgan “Candy” 042


リー・モーガン19歳にして貫禄すら感じさせるリーダー作。アルバム構成は1曲目にスイーツ、親しみやすい軽快な曲に、じっくり聴かせるバラード2曲を挟み込む。そしてピアノがソニクラ。デクスター・ゴードンの『GO』とよく似た兄弟のようなアルバムとして私はワンセットにしてます。録音年からいくと、こちらの方が先のようです。それにしてもリー・モーガンのトランペットは軽快によく鳴っていて、ソニー・クラークのピアノも華麗で品があります。

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リー・モーガン 『リー・モーガン Vol.3』 Lee Morgan “Lee Morgan Vol.3” 052


天才トランペッターのクリフォード・ブラウンの早すぎる死を悼んでベニー・ゴルソン(ts)が作曲した#3 “I Remember Clifford” は、しっとりとしたメロディーが心に沁みるレクイエム。このアルバムの全曲、ゴルソン作曲。この名演を残したもう一人の天才トランペッターのリー・モーガンも若くして亡くなることに……。

ある雪の日、ライブの休憩中に彼と愛人ヘレンが口論になった末、一発の銃声。前のめりに倒れ込んだリー、一瞬の自失状態から覚めたヘレンは泣き叫んでいます。彼女が銃で撃ってしまったのです。雪のため遅れて到着した救急車でなんとか病院へ運ばれましたが、彼は帰らぬ人となってしまいました。

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アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ 『サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ』 Art Blakey & The Jazz Messengers “Complete Concert At Club Saint Germain” 062


まさか「モーニン」を「朝」だと思っていませんか? 「moan」とは「うめく」という意味です。[disc1]#5にその「モーニン」も収録されているこのサンジェルマンでのライブ盤は凄い。選曲よし、メンバーよし、まさにノリにノってる演奏なのですが、刺激された聴衆も熱狂、ライブは興奮のるつぼと化します。おそらく録音スタッフか誰かの「シー!」という注意も聞かず、抑えられなくなった観客がヤンヤヤンヤの大騒ぎ、その様子が生々しく収録されています。曲名にもクレジットされている「Hazel」とは、ひときわ大きな声で盛り上げているヘイゼル・スコットという女流ピアニストだそうです。全曲、ムンムンとした熱気に大興奮のライブ盤。最高!

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