ジョン・コルトレーン 『バラード』 John Coltrane “Ballads” 003


「ジャズバラード」と思い浮かべて、そのイメージにぴったりくるバラード集。だからテレビなどでも大人の雰囲気を演出するようなシチュエーションでよく流れます。ジョン・コルトレーンは60年代、「フリージャズ」と呼ばれる内面的激情を放出させるような厳しいジャズに到達するのですが、それとは違いこのアルバムは彼の歌心が堪能できる一枚。このアルバムが気に入った方は、「歌モノ」ですが雰囲気の似ている『John Coltrane & Johnny Hartman』も大推薦。

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マイルス・デイビス 『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』 Miles Davis “‘Round About Midnight” 026


男なら煙草の煙をくゆらせながら、バーボンをストレートで静かにあおる……そんなハードボイルドな夜を気取りたい時、ぴったりなのがこの名盤。特に#1 “’Round Midnight” 「ラウンド・ミッドナイト」はイントロから格好良すぎ。ジャケットのマイルスにも惚れてしまいます。帝王マイルスは(矢沢)永ちゃん像に通じるものがあります。

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ジェリー・マリガン 『ナイト・ライツ』 Gerry Mulligan “Night Lights” 027


「ナイト・ライツ」……ぼうっと滲むような暖かい灯りなのでしょうか。こんなにも優しくゆったりとしたアルバムは、ありそうでいて、なかなかめぐり逢えません。バリトンサックス奏者ジェリー・マリガンのピアノも聴ける#1 “Night Lights (1963 Version)” 「ナイト・ライツ」、有名曲#2 “Morning Of The Carnival From Black Orpheus’” 「カーニヴァルの朝」、静かに続く#3 “In The Wee Small Hours Of The Morning”、クラシックの#4 “Prelude In E Minor” 「プレリュード・イン・Eマイナー」……ラストトラックまで、ただこの優しい抱擁に身をまかせるだけでいいのです。

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キース・ジャレット 『メロディ・アット・ナイト、ウィズ・ユー』 Keith Jarrett “The Melody At Night, With You” 028


……泣。川端康成の文章に「悲しいほど美しい声」というのがありましたが、まさにそんなピアノの音なのです。静謐な美しさがあふれてきます。眠る前によくかけていたら、当時付き合っていた彼女が憶えたようで、#1 “I Loves You, Porgy” 「愛するポーギー」を聴くと「おやすみの音楽ね」と言っていました。好きな人と過ごす穏やかな夜におすすめです。音楽はその時の記憶を封じ込め、聴くたびにそれを甦らせるから不思議……泣。

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ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン 『ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン』 John Coltrane & Johnny Hartman “John Coltrane & Johnny Hartman” 034


伸びやかな低い声のジョニー・ハートマン、バラード奏法のジョン・コルトレーン。この二人に迫られたら、もう腰くだけ。でも、そんなあなたをしっかりと優しく抱擁してくれるのが、ジョニー・ハートマンのウォーム・ヴォイス。心憎いほど深みのある声と抑制されつつも情感に富んだ歌ごころ。今宵、スピーカーから立ちのぼるフェロモンに酔いしれてみては?

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