ソニー・ロリンズ 『サキソフォン・コロッサス』 Sonny Rollins “Saxophone Colossus” 004


#1 “St. Thomas” 「セント・トーマス」の明るい演奏は有名だから聴いたことがあるかもしれません。#2 “You Don’t Know What Love Is” 「あなたは恋を知らない」のバラードの深みのある音色、#3 “Strode Rode” 「ストロード・ロード」のユニークな疾走感、#4 “Moritat” 「モリタート」のミドルテンポの心地よいフレージングなど、全曲を通して豊かな曲想とよどみない奔放なアドリブの魅力が溢れています。聴きやすさの中に普遍的完成度を感じさせる懐の深いモダンジャズの代表的名盤です。

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クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ・クインテット 『スタディ・イン・ブラウン』 Clifford Brown & Max Roach Quintet “Study in Brown” 014


マックス・ローチのドラミングにあおられて、ブラウニーが軽快に吹きまくり、メンバー一体となって駆け抜ける。嗚呼、このハードバップの格好良さ! #1 “Cherokee” 「チェロキー」の疾走感、#9 “Take the “A” Train” 「A列車で行こう」の汽車を模した表現も最高にクール。「チュニジアの夜」のようなアフロキューバン・ナンバー#5 “George’s Dilemma” 、#6 “Sandu” などクリフォード・ブラウン作の楽曲も魅力的です。ちなみに華麗なピアノを聴かせるリッチー・パウエルはバド・パウエルの弟。

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クリフォード・ブラウン 『クリフォード・ブラウン・ウィズ・ストリングス』 Clifford Brown “Clifford Brown With Strings” 066


彼が交通事故で亡くなる1年半前、24歳で録音されたウィズ・ストリングスの決定盤です。この若さでバラード集、しかもウィズ・ストリングスを吹き込んでくれた重みを噛みしめたいです。せつないトランペットの音色が、ストリングスをバックに輝きます。品のあるプレイでしっとりと歌い上げるスタンダードの名曲の数々、胸に迫ります。

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バド・パウエル 『ジ・アメイジング・バド・パウエル Vol.1』 Bud Powel “The Amazing Bud Powell, Volume One” 118


ブルーノートのバド・パウエルがいいんです!ビバップピアノの巨人バド・パウエルですが、RouletteやVerveなどのレーベルにも多くの傑作を吹き込んでいます。でも私が好きなのはBlue Noteのバドなんです。卓越した芸術性や繊細な表現以上に何か人を驚かせてやろうというような楽しさに溢れていて、そのエンターテイメント性のある演奏がいいのです。本作は前半がクインテット、後半がトリオと2つの編成による演奏が収録されています。前半のハードバップでは、ファッツ・ナバロのブリリアントなトランペットと素敵に転がりまくるバドのピアノが魅力的。ソニー・ロリンズのテナーも演奏に厚みを加えます。後半のピアノトリオでは、コミカルなネーミングの#12 “Un Poco Loco” 「ウン・ポコ・ローコ」が有名でしょうか。キレがあってコクもある。なんだかビールのようですが、本領を発揮したバドは爽快な気分にさせてくれること間違いなし。Blue Noteのプロデューサー アルフレッド・ライオンがプロデュースしたかった「Amazing」(驚くべき、すごい)なバドがここにいます。

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デューク・エリントン 『マネー・ジャングル』 Duke Ellington “Money Jungle” 135


デューク・エリントン × チャールズ・ミンガス × マックス・ローチ――嘘みたいな組み合わせ。デューク・エリントンといえば、自身の楽団を率いたビッグバンドジャズの巨匠。チャールズ・ミンガスは、黒人の情念を独創的なジャズに昇華した個性派。マックス・ローチは、クリフォード・ブラウンと組み人気を博したハードバッパー。夢の異種格闘技戦のようにも感じますが、聴けばやはり、強烈!デューク・エリントンのモダニズムは同時期に録音された『Duke Ellington & John Coltrane』でも確認できますが、本作での強烈な圧でぐいぐい押しまくるピアノには、驚愕!このアルバムの張り詰めたような緊張感は、ちょっと怖いくらい。

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