マイルス・デイビス 『ビッチェズ・ブリュー』 Miles Davis “Bitches Brew” 021


1970年代、この作品でフュージョン(エレクトリックジャズ)は幕を明けます。音楽シーンの中で日々肥大化するロックを意識してマイルスが作り上げた壮大かつ怒涛のリズム音楽世界。アグレッシブで、高テンション。私は何度聴いてもそのスリリングな緊張感に胸騒ぎを覚えます。今もって強烈な印象を受けるため好き嫌いが分かれるかも。ハマると中毒に。禁断症状がひどい方には『アガルタ』も処方致します。

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チック・コリア&リターン・トゥ・フォーエバー 『リターン・トゥ・フォーエヴァー』 Chick Corea & Return to Forever “Return to Forever” 022


ふぅ……ちょっと一息。リラックスしましょう。通称「カモメのチック」です。童話の題名みたいですね。幸福感につつまれた楽園志向の爽やかなフュージョンです。あなたも#3 “What Games Shall We Play Today?” はつい口ずさんでしまうことでしょう。#4 “Sometime Ago / La Fiesta” 後半の恍惚感にいざなう展開はすばらしい。「スロウライフ」な方におすすめです。

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ウェザー・リポート 『ヘヴィー・ウェザー』 Weather Report “Heavy Weather” 023


ジャケットがインパクトありますね。巨大な帽子が異常気象を起こしています。グループ名が「天気予報」。シュールですね。ナンなんでしょう?さて#1 “Birdland” 「バードランド」がマンハッタン・トランスファーのカバーで有名です。私はゆったりとしたバラードの#2 “Remark You Made” がお気に入り。この作品の大ヒットで、70年代フュージョンシーンの台風の目になった彼ら。その大活躍には脱帽です。

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ハービー・ハンコック 『ヘッド・ハンターズ』 Herbie Hancock “Head Hunters” 024


ある夜、ハービー・ハンコックが寝ていると日蓮上人が夢枕に立ち「今一番興味をもっている音楽をやりなさい」とのお告げ。そうしてできたのがこのアルバムだそう。(彼はSGI《創価学会インターナショナル》会員)有名な#1 “Cameleon” 「カメレオン」、#2 “Watermelon Man” 「ウォーターメロン・マン」などの楽曲と演奏はかなりのインパクト。従来のジャズの枠を超え、ブラック・ファンク・ミュージックに挑戦したこの意欲作は、幅広い音楽ファンから支持を得て大ヒットとなりました。

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ジャコ・パストリアス 『ジャコ・パストリアスの肖像』 Jaco Pastorius “Jaco Pastorius” 025


いまだに多くのミュージシャンからリスペクトをされているジャコ・パストリアス。#1 “Donna Lee” 「ドナ・リー」の軽快で弾力のあるエレクトリックベースの深みのある音色で一気に引き込まれます。ミニマルな先鋭性をもつ#7 “Okonkole Y Trompa” など多様な音楽的アイデアと新鮮な感覚は今聴いても色あせていません。豊かな表情をもつリズムとメロディアスなフレーズが混交する音の軽妙なカオスは、まったくもって独創的。夭折が惜しまれます。#9 “Forgotten Love” が美しい。

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