ナウい! これ、80年代のキャッチーなポップフィーリング満載なんです。なにせマイルスの格好といったらDCブランドに身を包み、手にはトランペット……ではなくライフルなんですから。一体彼に何があったのでしょう。#1 “One Phone Call / Street Scenes” にはスティングの声が吹き込まれ(高額なギャラでレコード会社ともめ、結局マイルスの自腹に)、選曲もマイケル・ジャクソンの#2 “Human Nature”、シンディ・ローパーの#7 “Time After Time”、シンセや打ち込みサウンドにマイルスのデリケートにかすれるトランペットの音色が絡みます。浮かれたポップサウンドと侮るなかれ、ここには常に革新を続けた「帝王」の気高い志があります。
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カテゴリー: フュージョン名盤
マイルス・デイビス 『ジャック・ジョンソン』 Miles Davis “A Tribute to Jack Johnson” 109
「お望みなら世界最高のロックバンドをつくってやろうか」喧嘩上等!マイルスのロック宣言のもとに発表されたアルバム。この作品は黒人で初めて世界ヘビー級王者になったボクサーの映画『ジャック・ジョンソン』のサウンドトラック。壮大なグルーブのうねりの中でジョン・マクラフリンのギターとマイルスのトランペットが絡み、あまりのカッコよさに悶絶必死のエレクトリック・マイルス・ミュージック。男子たるもの、マイルスを聴くべし!
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マイルス・デイビス 『イン・ア・サイレント・ウェイ』 Miles Davis “In a Silent Way” 110
アンビエント・ミュージック……。早い、早すぎる……。ブライアン・イーノに先んじること約10年。この何とも形容しがたい静的な浮遊感を漂わせる前衛作は大傑作『ビッチェズ・ブリュー』以前に発表され、その後のフュージョンシーンの原点となりました。ハービー・ハンコック、チック・コリア、ジョー・ザウィヌルと次世代を担う3人の天才キーボーディストを擁した奇跡的なアルバム。エレクトリック・マイルスの静謐なる黎明。
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菊地雅章 『ススト』 Masabumi Kikuchi “Susto” 133
壮大なるエレクトリック・グルーヴ・ミュージック――1978年頃、菊地雅章はエレクトリック時代のマイルス・デイビスのグループに参加する。しかし、リハーサルとレコーディングを繰り返すがアルバムは未発表。ギル・エバンスなど一流ミュージシャンとのコラボレーションを経た後、彼は日野皓正をはじめとする多数のミュージシャンを集め、ニューヨークと東京のスタジオで一大セッションを敢行する。そこで制作されたのが、『ススト』。マイルスと実現しようとしていた音楽は知る由もないが、菊地雅章は音がうねりとなって渦巻くようなこの音楽世界を完成させた。
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マハヴィシュヌ・オーケストラ 『火の鳥』 Mahavishnu Orchestra “Birds of Fire” 148
泣く子もだまり、寝た子も起きるこのギターサウンド! エレクトリック・マイルスの重要構成員ジョン・マクラフリン率いるマハビシュヌ・オーケストラの傑作。ギターだけでなくヴァイオリンも効果的に盛り上げるその音楽は、管楽器へ叩き付けた挑戦状でしょうか。ロックファンをも唸らせる圧倒的なエレクトリック サウンドの破壊力は凄まじい。火花を散らすエレキに感電します。
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