ジョン・コルトレーン 『バラード』 John Coltrane “Ballads” 003


「ジャズバラード」と思い浮かべて、そのイメージにぴったりくるバラード集。だからテレビなどでも大人の雰囲気を演出するようなシチュエーションでよく流れます。ジョン・コルトレーンは60年代、「フリージャズ」と呼ばれる内面的激情を放出させるような厳しいジャズに到達するのですが、それとは違いこのアルバムは彼の歌心が堪能できる一枚。このアルバムが気に入った方は、「歌モノ」ですが雰囲気の似ている『John Coltrane & Johnny Hartman』も大推薦。

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ソニー・ロリンズ 『サキソフォン・コロッサス』 Sonny Rollins “Saxophone Colossus” 004


#1 “St. Thomas” 「セント・トーマス」の明るい演奏は有名だから聴いたことがあるかもしれません。#2 “You Don’t Know What Love Is” 「あなたは恋を知らない」のバラードの深みのある音色、#3 “Strode Rode” 「ストロード・ロード」のユニークな疾走感、#4 “Moritat” 「モリタート」のミドルテンポの心地よいフレージングなど、全曲を通して豊かな曲想とよどみない奔放なアドリブの魅力が溢れています。聴きやすさの中に普遍的完成度を感じさせる懐の深いモダンジャズの代表的名盤です。

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アート・ペッパー 『アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション』 Art Pepper “Art Pepper Meets The Rhythm Section” 008


「The Rhythm Section」とはマイルス・デイビスの黒人リズムセクション。当時の米国ジャズ界は、ホットな黒人系のイーストコースト、クールな白人系のウエストコーストとそれぞれに特色がありましたが、双方を代表する彼らの「Meets」が名盤を生みました。また、麻薬とセットで語られることの多いアート・ペッパー。これは出所後、久しぶりにアルト・サックスを吹いたと言われていますが、演奏はよどみなくさわやかです。#1 “You’d Be So Nice To Come Home To” 「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」、#8 “Star Eyes” 「スター・アイズ」が軽快でいいです。でもこのアルバムジャケット、クラシックのCDみたい……。

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ジョン・コルトレーン 『至上の愛』 John Coltrane “A Love Supreme” 012


「ジョン・コルトレーンの最高傑作」はたまた「初心者には向かない」等々、聴こうかどうしようか困惑するアルバムではないでしょうか?私はというと、それほど気負わずに、単純に「いいなぁ……」と聴いています。「私は聖者になりたい」と語った彼。「至上の愛」つまり「神の愛」がテーマでなので厳しさだけでなく、やはり包容力を感じます。「A Love Supreme……」と低く唱えるように歌う#1 “Acknowledgement” 「承認」から#4 “Psalm” 「賛美」の最後に到達する境地まで、聴き応えあります。

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ケニー・ドーハム 『静かなるケニー』 Kenny Dorham “Quiet Kenny” 018


ジャケットの中で静かにたたずんでいるケニー・ドーハムを見ると彼の実直さが伝わってくるようです。演奏も派手さはありませんが、しみじみと味わい深く、ホッと落ち着きます。少し煙るような音色も魅力的。ゆったりと過ごしたい時にぴったりなアルバムです。自作曲#1 “Lotus Blossom” 「ブルー・ブロッサム」がいいですが、私は彼の作曲の「Blue Bossa」がとても好きです。こちらはジョー・ヘンダーソンの『Page One』に収録されています。

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