アート・ペッパー 『アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション』 Art Pepper “Art Pepper Meets The Rhythm Section” 008


「The Rhythm Section」とはマイルス・デイビスの黒人リズムセクション。当時の米国ジャズ界は、ホットな黒人系のイーストコースト、クールな白人系のウエストコーストとそれぞれに特色がありましたが、双方を代表する彼らの「Meets」が名盤を生みました。また、麻薬とセットで語られることの多いアート・ペッパー。これは出所後、久しぶりにアルト・サックスを吹いたと言われていますが、演奏はよどみなくさわやかです。#1 “You’d Be So Nice To Come Home To” 「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」、#8 “Star Eyes” 「スター・アイズ」が軽快でいいです。でもこのアルバムジャケット、クラシックのCDみたい……。

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アート・ペッパー 『モダン・アート』 Art Pepper “Modern Art” 078


綱渡りのような危ういアルト――アート・ペッパーの演奏は、穏やかな中にも激しさを秘め、安堵と緊張、明るさと陰り……対極にあるべきものが共存しているようで、思わず惹きつけられます。彼の人生は、アルトと麻薬なしには語れませんが、彼自身が創造と破壊を内包した存在だったのでしょうか。アート・ペッパーにしか出せないナイープで深遠な音色に魅了されずにはいられません。

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