アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ 『モーニン』 Art Blakey and The Jazz Messengers “Moanin” 005


ファンキージャズ! #2 “Moanin’” 「モーニン」はあまりにも有名。1961年来日した当時は社会的なブームになったとのこと。私が初めてこのアルバムを聴いたとき「ビートルズ以前に、こんなにカッコいい音楽やってた人たちがいるんだ!」と衝撃を受けたものです。また、ほとんどの場合ボーナストラックを不要と感じている私ですが、#1 “Warm-Up And Dialogue Between Lee And Rudy” にスタジオでのやりとりが収録されていて、これから始まる激しくファンキーな演奏の静かな前ぶれとなり、ゾクゾクしてしまいます。熱狂的ライブ盤『サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ』もおすすめ。

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キャノンボール・アダレイ 『サムシン・エルス』 Cannonball Adderley “Somethin’ Else” 006


このアルバムの紹介で必ずいわれるのが、「キャノンボール・アダレイ名義だが、実質リーダーはマイルス・デイビス……」なんだか可哀想な話でもありますが、アルトサックスのソロもマイルスのそれに劣らずいいです。#1 “Autumn Leaves” の4分超えたあたり一瞬ちょっと音が高ぶるようなところなんか、グッときます。この「枯葉」はジャズ史上最高の名演のひとつで、ヘビーローテーション間違いなし!

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アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ 『サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ』 Art Blakey & The Jazz Messengers “Complete Concert At Club Saint Germain” 062


まさか「モーニン」を「朝」だと思っていませんか? 「moan」とは「うめく」という意味です。[disc1]#5にその「モーニン」も収録されているこのサンジェルマンでのライブ盤は凄い。選曲よし、メンバーよし、まさにノリにノってる演奏なのですが、刺激された聴衆も熱狂、ライブは興奮のるつぼと化します。おそらく録音スタッフか誰かの「シー!」という注意も聞かず、抑えられなくなった観客がヤンヤヤンヤの大騒ぎ、その様子が生々しく収録されています。曲名にもクレジットされている「Hazel」とは、ひときわ大きな声で盛り上げているヘイゼル・スコットという女流ピアニストだそうです。全曲、ムンムンとした熱気に大興奮のライブ盤。最高!

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ボビー・ティモンズ 『ジス・ヒア』 Bobby Timmons “This Here is Bobby Timmons” 063


「モーニン」の作曲者として有名なピアニスト、ボビー・ティモンズ。とにかく黒人らしいファンキーなピアノが彼の持ち味でしょう。このアルバムはトリオでの演奏なので、そんな彼のノリノリなピアノが心行くまで楽しめます。それぞれが個性的かつ実力派のプレイヤー集団ジャズメッセンジャーズとは一味違った、ラフで気楽な演奏が心地いい。でも、やはり#1 “This Here”、#2 “Moanin’”、#6 “Dat Dere”、#9 “Joy Ride” のオリジナル曲を聴くと、あらためてファンキーでインパクトのある作曲能力の高さに感心します。

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アート・ブレイキー 『バードランドの夜』 Art Blakey Quintet “Night at Birdland Vol.1 ,Vol.2” 064



1954年2月21日の夜、ジャズクラブ バードランド。ここでのライブ録音がハードバップの誕生、そしてジャズ・メッセンジャーズの結成へと歴史的に重要な意味をもつことになります――このクラブの名物司会者ピー・ウィー・マーケットのかん高い独特の声のアナウンスに導かれ演奏がスタート。順調な滑り出し、各メンバーが高水準の演奏を難なくこなしていく……、何だか完璧すぎて空恐ろしくなるほど。それぞれが気負っている感じがまったくなく、流れるように至上の演奏を展開していく様は、バードランドにジャズの神様が舞い降りたよう――

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