チャーリー・パーカー 『ウィズ・ストリングス』 Charlie Parker “With Strings: Master Takes” 065


デビッド・ストーン・マーチンのイラストが素敵なジャケット盤は、複数の音源を集めたウィズ・ストリングス・マスターテイク盤です。――他にもいくつかのバージョンがあるようです。ちなみにこのジャケットが大好きな私は、クリスマスにはツリーの横に飾ったりします――曲目を見てお分かりのとおりかなりの曲数で、正直後半は聴き疲れするかも……、個人的な意見では9曲目あたりまでだとしっくりくるかな。何はともあれ、レトロなムード感がたまらない名盤であることには間違いありません。ジャケットでも歌っている「バード」(チャーリー・パーカーの愛称)の演奏は、いつものようにアドリブ炸裂というよりは、オーソドックスに情感を込めて吹いています。歌心溢れる#2 “Everything Happens To Me” 「エブリシング・ハプンス・トゥ・ミー」は素晴らしく、くり返し聴いてしまいます。

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クリフォード・ブラウン 『クリフォード・ブラウン・ウィズ・ストリングス』 Clifford Brown “Clifford Brown With Strings” 066


彼が交通事故で亡くなる1年半前、24歳で録音されたウィズ・ストリングスの決定盤です。この若さでバラード集、しかもウィズ・ストリングスを吹き込んでくれた重みを噛みしめたいです。せつないトランペットの音色が、ストリングスをバックに輝きます。品のあるプレイでしっとりと歌い上げるスタンダードの名曲の数々、胸に迫ります。

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マッコイ・タイナー 『フライ・ウィズ・ザ・ウインド』 McCoy Tyner “Fly With the Wind” 067


すごいよ、すごいよ、マッコイ!すっかり私、誤解してました、彼のこと。60年代ジョン・コルトレーンの黄金カルテットの抑制された演奏が、彼の全てだと……。あぁ、熱い、エネルギッシュな彼のパッションが爆発しています。ウィズ・ストリングスというと上品でムーディーな作品を思い浮かべますが、本作はその予想をあっさり裏切ってくれます。縦横無尽に舞い踊る鍵盤にあおられて、ベースやドラムスも息切れしそう。印象的なヒューバート・ローズのフルートとストリングスも一体となり、吹き抜ける風のようなスピード感。もうとにかく、すごい!

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チャーリー・ヘイデン 『アメリカン・ドリームス』 Charlie Haden “American Dreams” 160


悠久なるアメリカの原風景――チャーリー・ヘイデンのベースとマイケル・ブレッカーのテナーが郷愁を誘う音色を響かせ、ブラッド・メルドーのピアノとオーケストラは黄昏のようなハーモニーを重ねます。静かな情感にあふれたチャーリー・ヘイデンのアルバムは、いつでも、いつまでも、聴きたくなります。

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チェット・ベイカー 『チェット・ベイカー・シングス・アンド・プレイズ』 Chet Baker “Chet Baker Sings and Plays” 171


名盤『Chet Baker Sings』の続編的内容の人気盤――ストリングスも加え、より繊細に作り込まれたムーディな魅力が楽しめます。トランペットは苦手で……という方もチェットの優しい音色は是非一聴を。ドキュメンタリー映画『JAZZ SEEN カメラが聴いたジャズ』も公開された、ジャズメンを撮り続けた写真家ウィリアム・クラクストンによるジャケットも素敵です。

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