マイルス・デイビス 『カインド・オブ・ブルー』 Miles Davis “Kind of Blue” 001


マイルス・デイビスが「モードジャズ」を完成させたモダンジャズの金字塔アルバム。それまでの「ハードバップ」とよばれるノリノリの演奏とは違い、抑制された緻密なニュアンスで構築されたジャズ。重厚なジャズの凄みが味わえる一枚で、私は聴く度にドキドキしてしまいます。深遠な静寂に誘う#3 “Blue In Green” 「ブルー・イン・グリーン」は、私の永遠のリピートナンバー。最初はとっつきにくい方もいるかもしれませんが、他のジャズアルバムをいろいろ聴いていくと、圧倒的な存在感で迫ってきます。

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リー・モーガン 『リー・モーガン Vol.3』 Lee Morgan “Lee Morgan Vol.3” 052


天才トランペッターのクリフォード・ブラウンの早すぎる死を悼んでベニー・ゴルソン(ts)が作曲した#3 “I Remember Clifford” は、しっとりとしたメロディーが心に沁みるレクイエム。このアルバムの全曲、ゴルソン作曲。この名演を残したもう一人の天才トランペッターのリー・モーガンも若くして亡くなることに……。

ある雪の日、ライブの休憩中に彼と愛人ヘレンが口論になった末、一発の銃声。前のめりに倒れ込んだリー、一瞬の自失状態から覚めたヘレンは泣き叫んでいます。彼女が銃で撃ってしまったのです。雪のため遅れて到着した救急車でなんとか病院へ運ばれましたが、彼は帰らぬ人となってしまいました。

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ウェス・モンゴメリー 『フル・ハウス』 Wes Montgomery “Full House” 074


カリフォルニアの「ツボ」クラブでのライブ録音。#1 “Full House” から鮮やかなギターの音色も軽快にノリの良い演奏が始まります。ウィントン・ケリー(p)やジョニー・グリフィン(ts)との相性も良く、聴衆も一体となってこのライブを楽しんでる様子が伝わってきます。全体的にメンバーそれぞれの余裕をもったプレイが印象的で、絶妙な間をもった掛け合いと、そこに聴衆の程よい反応も加わり、ジャズらしいグルーブ感が心地よい名盤です。

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ブルー・ミッチェル 『ブルーズ・ムーズ』 Blue Mitchel “Blue’s Moods” 087


陽光に輝くトランペット、真っ直ぐにどこまでものびてゆくフレージング。ブルー・ミッチェルのトランペットには、陽の光を浴びてジーンと肌にぬくもりを感じるような心地よさがあります。例えば、マイルス・デイビスの音色が張り詰めた闇だとしたら、ブルー・ミッチェルのそれは朗らかな光でしょう。彼の光を受けてウィントン・ケリーも輝きを増す#1 “I’ll Closed My Eyes” 「アイル・クローズ・マイ・アイズ」が素晴らしい。

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ウィントン・ケリー 『枯葉』 Wynton Kelly “Wynton Kelly!” 088


カラフルなジャケットが目を引くウィントン・ケリーの人気アルバム!多彩なピアノを聴かせてくれる彼にピッタリなジャケットです。#1 “Come Rain or Come Shine” 「降っても晴れても」のお馴染みのメロディで早速ウキウキとした演奏がはじまります。#2 “Make the Man Love Me” は一転して情感たっぷりなバラード。そして#3 “Autumn Leaves” へ。ウィントン・ケリーのピアノは、小気味よくスイングしながら、叙情性も感じさせる魅力的な表情をもっています。赤や黄と鮮やかに色づいては、ハラハラと散ってしまう「枯葉」のように。

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