一気呵成に描かれたドローイングのように演奏にも勢いがあってノリノリ。いわゆるこれが「ファンキー」でございます。ポルトガルの血を引いているホレス・シルバーは、他の黒人プレイヤーとは一味違った印象的な曲作り、リズミックな演奏などで独特の雰囲気があり、とても魅力的。「好っきやねん、ホレスのおっちゃん!」何故かファンキーと関西弁が合うような気がしてしまうのは私だけでしょうか。ホレスのおっちゃんファンになってしまった方は、おとんに捧げた名盤『Song for My Father』もおすすめです。
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タグ: ホレス・シルバー
アート・ブレイキー 『バードランドの夜』 Art Blakey Quintet “Night at Birdland Vol.1 ,Vol.2” 064
1954年2月21日の夜、ジャズクラブ バードランド。ここでのライブ録音がハードバップの誕生、そしてジャズ・メッセンジャーズの結成へと歴史的に重要な意味をもつことになります――このクラブの名物司会者ピー・ウィー・マーケットのかん高い独特の声のアナウンスに導かれ演奏がスタート。順調な滑り出し、各メンバーが高水準の演奏を難なくこなしていく……、何だか完璧すぎて空恐ろしくなるほど。それぞれが気負っている感じがまったくなく、流れるように至上の演奏を展開していく様は、バードランドにジャズの神様が舞い降りたよう――
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ホレス・シルバー 『ソング・フォー・マイ・ファーザー』 Horace Silver “Song For My Father” 175
何とも個性的な楽曲の数々――ホレス・シルバーのラテン・フレーバー香る表題曲#1 “Song For My Father” 、トロトロととろけそうな絶品バラード#6 “Lonely Woman”など、オリジナリティあふれる彼の作曲センスと、もちろんファンキーなノリも心ゆくまで堪能できます。ハマるとクセになるので、くれぐれも聴き過ぎにはご注意を。
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ソニー・ロリンズ 『Volume 2』 Sonny Rollins “Volume 2” 194
「パワーソング」なるものがあります。文字通り元気が出る曲のことですが、アルバムでチョイスするなら私はこの一枚でしょうか。ソニー・ロリンズにピアニストがセロニアス・モンクとホレス・シルバーの交代制。このメンツ、どうしてもマイルスの『バグズ・グルーブ』を思い出してしまいます。世に言う「クリスマス(喧嘩)セッション」。マイルスのソロのバックでは「モンクは弾くな」と言ったとか言わないとか。このアルバムも結構好きなんですが、妙な緊張感も感じたりして……。もともと糸を吐いていくようなマイルスのトランペットと、ブツンブツンとぶつ切りにするようなピアノの相性は難しいのかも。その点本作は「ブヴァー」っとロリンズが快音でブローしてくれますので安心。#3 “Misterioso” モンクの独特の間のあるピアノのイントロに、ブレイキーとロリンズがそろそろと付いていくのも何とも可笑しい。やっぱりモンクは全部もってっちゃう感じがずるいかも。でもこの緊張感のあと、ホレス・シルバーのパートだとこっそりホッとしたりして。『バグズ~』ではミルト・ジャクソンのヴァイブが印象的ですが、本作はジャイ・ジェイ・ジョンソンのトロンボーンが心地よい艶のある音色で、個性派たちの間にすっぽりとうまく収まっています。ベースはハードバップを支え続けた名手ポール・チェンバース。そして#4 “Reflections” では「ズガーン」「ドガーン」と轟音で炸裂するドラム、アート・ブレイキーもやっぱり強烈。ブレイキーのドラムにあおられて、ロリンズ節を心ゆくまで堪能すれば、「元気があれば何でもできる」という気になります。「パワーアルバム」お試しあれ。
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