セロニアス・モンク 『セロニアス・ヒムセルフ』 Thelonious Monk “Thelonious Himself” 054


時を止めてしまうような沈黙と、とつとつと発せられるピアノの響き――おそらくあらゆるピアニストの中で、最も独創的なピアニストではないでしょうか。一聴すれば、「セロニアス・モンク」というその名前と共に忘れることができません。#7 “’Round Midnight” 「ラウンド・ミッドナイト」は彼の作曲中、最も知られたスタンダードですね。演奏中に踊り始めたり、普段はとても寡黙だったりと、その人となりもユニークだったようです。よくピアノの習い始めに「卵を持つように(手のひらを丸く楽に)弾いて」などと言われますが、モンクは指をピンッとまっすぐ伸ばしてかなりの力みよう。「俺流」、素敵です。

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ソニー・ロリンズ 『Volume 2』 Sonny Rollins “Volume 2” 194


「パワーソング」なるものがあります。文字通り元気が出る曲のことですが、アルバムでチョイスするなら私はこの一枚でしょうか。ソニー・ロリンズにピアニストがセロニアス・モンクとホレス・シルバーの交代制。このメンツ、どうしてもマイルスの『バグズ・グルーブ』を思い出してしまいます。世に言う「クリスマス(喧嘩)セッション」。マイルスのソロのバックでは「モンクは弾くな」と言ったとか言わないとか。このアルバムも結構好きなんですが、妙な緊張感も感じたりして……。もともと糸を吐いていくようなマイルスのトランペットと、ブツンブツンとぶつ切りにするようなピアノの相性は難しいのかも。その点本作は「ブヴァー」っとロリンズが快音でブローしてくれますので安心。#3 “Misterioso” モンクの独特の間のあるピアノのイントロに、ブレイキーとロリンズがそろそろと付いていくのも何とも可笑しい。やっぱりモンクは全部もってっちゃう感じがずるいかも。でもこの緊張感のあと、ホレス・シルバーのパートだとこっそりホッとしたりして。『バグズ~』ではミルト・ジャクソンのヴァイブが印象的ですが、本作はジャイ・ジェイ・ジョンソンのトロンボーンが心地よい艶のある音色で、個性派たちの間にすっぽりとうまく収まっています。ベースはハードバップを支え続けた名手ポール・チェンバース。そして#4 “Reflections” では「ズガーン」「ドガーン」と轟音で炸裂するドラム、アート・ブレイキーもやっぱり強烈。ブレイキーのドラムにあおられて、ロリンズ節を心ゆくまで堪能すれば、「元気があれば何でもできる」という気になります。「パワーアルバム」お試しあれ。

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