『Flight To Jordan』――デューク・ジョーダンの不遇のアメリカ時代にブルーノートで制作されたリーダーアルバム。タイトルの「Jordan」は、彼の名前と同じアルファベットの綴りの「ヨルダン」にかけて付けられています。「冗談」のような駄洒落です。彼はミュージシャンとしての生活が一時困窮し、タクシードライバーをしてしのぐという洒落にならない有様でした。また、ジョーダン作曲の仏映画『危険な関係』の主題曲「No Problem」(アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ演奏)がヒットするも、作曲者名未記載でトラブルとなり、全然「No Problem」じゃない状況になります。この曲は#6 “Si-Joya” と改題して本アルバムに収録されています。なんだか散々なエピソードばかり……。しかしその哀愁のある名曲と朴訥(ぼくとつ)とした演奏は海外では評価されており、60年代に渡欧。レコーディングでは70年代に復帰、名盤『Flight To Denmark』などを発表し活躍します。こだわりのタイトルが良かったようです。
1. Flight to Jordan
2. Star Brite
3. Squawkin’
4. Deacon Joe
5. Split Quick
6. Si-Joya
7. Diamond Stud *
8. I Should Care *
Duke Jordan (p)
Dizzy Reece (tp)
Stanley Turrentine (ts)
Reginald Workman (b)
Art Taylor (ds)
Recorded 1960