ジャコ・パストリアス 『ワード・オブ・マウス』 Jaco Pastorius “Word of Mouth” 184


ジャコ・パストリアスのベーストラックに、各プレイヤーの演奏を多重録音していくというユニークな実験的作品。多様で豊かな音楽的創造が、一枚のアルバムとして見事に結実しています。楽園的な明るさをもつ#3 “Liberty”、ビートルズの#5 “Blackbird” 「ブラックバード」、子供たちとの歌声も飛び出す#7 “John And Mary” も楽しい。もちろん随所でナイスなベースプレイも聴けます。

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ドナルド・バード 『 プレイシズ・アンド・スペイシズ』 Donald Byrd “Places and Spaces” 183


爽やかなグルーヴ感が心地好いブラックミュージック。クラブシーンでも頻繁にサンプリングされたようで、ジャズファンよりもこちら系の愛好者の方々に有名かもしれません。このアルバムの発表は1975年。ハードバップ華やかかりし1950~60年代を駆け抜けての変身ぶりにはちょっと驚きますが、トランペットの音色の相変わらずの良さに嬉しくなります。

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秋吉敏子 『孤軍』 Toshiko Akiyoshi & Lew Tabackin Big Band “Kogun” 182


夫婦双頭コンボ「秋吉敏子&ルー・タバキン ビックバンド」の記念すべき第一作。「ヨ~、ポンッ」といった和楽を取り入れた革新的楽曲#3 “Kogun” 「孤軍」が話題になりました。この曲の題材は、フィリピンから終戦29年目にして帰還した小野田少尉。初期代表曲#1 “Elegy” 「エレジー」やヴォイス(声)を効果的に響かせた#2 “Memory” 「メモリー」なども素晴らしい。

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マル・ウォルドロン 『オール・アローン』 Mal Waldron “All Alone” 181


はぁ……、悲しい。もう1曲目から悲しすぎます。涙に音があるならきっとこんな音でしょう。本作マル・ウォルドロンの全曲オリジナルによるピアノソロ アルバムは、どっぷりと浸りたくなるような哀愁に溢れ、とつとつとしたピアノが心の琴線に触れてきます。聴くときはハンカチのご用意を……。

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ジミー・スミス 『ザ・キャット』 Jimmy Smith “The Cat” 180


クインシー・ジョーンズ『Big Band Bossa Nova』に匹敵するアルバムと言えば、これでしょう。こちらもビックバンド、編曲、指揮は『ミッション・インポッシブル』、『燃えよドラゴン』の映画音楽で知られるラロ・シフリン。プロデューサーはCTIレコードで知られるクリード・テイラー。ここでまず聴くべきはもちろん#2 “The Cat” 「ザ・キャット」! ジミー・スミスの火を噴くようなオルガンプレイに熱くならないわけがありません。さあ、張り切ってどうぞ。

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