エンリコ・ピエラヌンツィ 『シーワード』 Enrico Pieranunzi “Seaward” 169


エンリコ・ピエラヌンツィ――優美で艶のある演奏をするイタリア人ピアニスト。エヴァンス的なタッチとヨーロッパ的なエレガンスを兼ね備え、「イタリアのビル・エヴァンス」とも称されているそうです。本作はそんな彼の代表的作品で、全体の4分の3が自作曲。中でもアルバムタイトルとなっている#1 “Seaward” が、沖へ揺らめいていく水面(みなも)を思わせ美しい。

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ビル・エヴァンス 『コンセクレイション/ラスト・レコーディングⅠ・Ⅱ』 Bill Evans “Consecration I, II” 200


ビル・エヴァンスが最後に放った閃光。1980年9月15日にビル・エヴァンスは肝硬変と肺炎の併発で51で亡くなりました。本作はその直前にサンフランシスコのジャズ・クラブ「キーストン・コーナー」での貴重な録音から編集されたものです。Ⅰ・Ⅱが2枚組で発売され、その後Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ(※未発表曲集)と分かれて再発されました。その他の音源も合わせた8枚組ボックスセットなどもあるようです。エヴァンスは若い世代のマーク・ジョンソン(b)、とジョー・ラバーバラ(ds)を擁し、スコット・ラファロ(b)、ポール・モチアン(ds)の伝説的なトリオをも凌駕するかもしれないと語っていたと言われ、彼らとの演奏を心から楽しんでいたようです。選曲はⅠ#6 “Polka Dots And Moonbeams”、#8 “Someday My Prince Will Come”、Ⅱ#2 “My Foolish Heart”、#7 “My Romance” などクールなロマンティシズムが堪能できる定番レパートリーで構成され、このトリオでのまた一味違う積極的なプレイが聴けて感慨深いものがあります。「Consecration」とは「献身」の意。ジャズにその身を捧げたビル・エヴァンスの最後の燃焼がここに記録されています。

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