山本剛が弾く映画音楽――このサービス精神あふれるコンセプト。映画のテーマ曲からの選曲ですが、ジャズのスタンダードとしても良く知られているものばかり。アルバムタイトルにもなっている自作曲#3 “Autumn In Seattle” は映画音楽ではありませんが、これもドラマティックな叙情性をたたえた美しい佳曲。また彼の代表的な演奏曲として知られる#4 “Misty” をアップテンポの新鮮なアレンジで聴かせてくれたり、彼が高校時代に聴いてジャズピアニストを志すきっかけになった#7 “No Problem” など、彼を良く知るファンも十分に聴き応えのある内容となっています。映画とは観客を楽しませてくれたり、夢を見させてくれたり、感動を与えてくれたりするものですが、それがそのまま山本剛の演奏にも通じるという、このアルバムの心にくい演出。ゆったりとした気分で過ごしたいときには欠かせない愛聴盤です。
1. The Way We Were
『追憶』（1973年／米）
2. Raindrops Keep Falling On My Head
『明日に向って撃て！』（1969年／米）
3. Autumn In Seattle
オリジナル
4. Misty
『恐怖のメロディー』（1971年／米）
5. Love Is A Many Splendored Thing
『慕情』（1955年／米）
6. Theme From Spartacus
『スパルタカス』（1960年／米）
7. No Problem
『危険な関係』（1959年／仏）
8. As Time Goes By
『カサブランカ』（1942年／米）
9. Sound Of Music Medley
『サウンド・オブ・ミュージック』（1965年／米）
10. A Time For Us
『ロミオとジュリエット』（1968年／伊）
Tsuyoshi Yamamoto (p)
Ken Kaneko (b)
Toshio Osumi (ds)
Winston MA (Producer)
Takeshi Tee Fujii (Recording Director)
Yoshihiko Kannari (Recording Engineer)
Recorded 2001