「お望みなら世界最高のロックバンドをつくってやろうか」喧嘩上等!マイルスのロック宣言のもとに発表されたアルバム。この作品は黒人で初めて世界ヘビー級王者になったボクサーの映画『ジャック・ジョンソン』のサウンドトラック。壮大なグルーブのうねりの中でジョン・マクラフリンのギターとマイルスのトランペットが絡み、あまりのカッコよさに悶絶必死のエレクトリック・マイルス・ミュージック。男子たるもの、マイルスを聴くべし!
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投稿者: JAZZCD.JP
ビル・エヴァンス 『アフィニティ』 Bill Evans “Affinity” 108
秋めいていく黄昏時に最適な一枚。余韻を残しながら広がってゆく美しい叙情性。トゥーツ・シールマンスのハーモニカとビル・エヴァンスのピアノの響きにいささかセンチメンタル、感傷的なきらいあるのですが、不思議と鼻につかないのです。というよりこの絶妙なセンチメンタリズムがこのアルバムの魅力でしょう。こういうアルバムをお探しの方がいらっしゃるのではないでしょうか? ストイックなジャズではちょっと辛いし、イージーリスニングだとちょっと甘いし、みたいな。
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チャールス・ミンガス 『道化師』 Charles Mingus “TheClown” 107
聴けば血がたぎってしまうのです。#1 “Haitian Fight Song” 「ハイチ人の戦闘の歌」、これぞチャールズ・ミンガスの真骨頂。生殺しのようなじらしの後の爆発、その悦楽。チャーリー・パーカーへのオマージュ#3 “Reincarnation of a Lovebird” のゾクゾクするような艶かしいサックスと躍動するようなベースラインもたまりません。そして、ナレーションと共に演奏される#4 “The Clown” は、ロックのフランク・ザッパやジェスロ・タルなどを思わせるアプローチで、ミュージック クリエイターとしてのユニークな革新性に感服します。名盤『直立猿人』の約1年後に吹き込まれたミンガスの創造性が横溢する意欲作です。
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本田竹曠 『ジス・イズ・ホンダ』 Takehiro Honda “This Is Honda” 106
2006年1月14日、本日の夕刊によると12日、ジャズピアニスト本田竹広さんが急性心不全のためお亡くなりになりました。享年60歳。深い叙情性と激情を鍵盤に野太く伝えるその圧倒的でダイナミックな演奏が魅力でした。脳内出血による左半身麻痺からもリハビリで立ち直る強靭な精神力も彼の音楽を聴けば納得できます。この『This Is Honda』はブルージーなスタンダード集で、手持ちの彼のアルバムの中でも特に好きな1枚です。#1 “You Don’t Know What Love is” 「恋とは何か君は知らない」を聴くと胸の内からこみ上げてくる感情が溜息をつかせます。ジャズクラブでの演奏の合間に力強い握手をしていただいたことを思い出し、今日はとても悲しいです。ご冥福をお祈りいたします。
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フレディ・レッド 『パリの空の下』 Freddie Redd “Under Paris Skies” 105
フレディ・レッドの奏でる哀愁のメロディがたまらない。ある雑誌で紹介されていて、何となくジャケ買いしたCDです。あまりこのピアニストについて知らないのですが、しいて言うならクセのないデューク・ジョーダンのような感じでしょうか。全6曲トータルなまとまりもあり、特に#5 “You” がグッときます。落ち着いた陰りのあるメランコリックなピアノトリオ盤としておすすめです。
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