
日本のジャズ史上に燦然と輝く金字塔『Blow Up』。あれから30年、まさかの続編として2003年に制作されたアルバム。メンバーは鈴木勲、菅野邦彦、ジョージ大塚の黄金トリオに鈴木勲『Black Orpheus
』などの名盤に参加している盟友山本剛、そして「鈴木勲とOMA SOUND」の若手たち。タイトルを渋い深みのある声で響かせると、雄大な風景の広がるような#2 “What A Wonderful World” 「この素晴らしき世界」で幕を開けます。この曲で鈴木勲は古楽の擦弦楽器であるヴィオラ・ダ・ガンバを幽玄に奏で、そして後半は一転してなんとピアノの菅野邦彦とエレクトリックピアノの山本剛が軽快に競演します。多くの曲で菅野と山本のダブルピアニストが同時に弾く豪華な布陣。#5 “My Foolish Heart” 「マイ・フーリッシュ・ハート~愚かなりし我が心」はヴィオラ・ダ・ガンバとベースに山本剛のピアノだけというシンプルな美しさも、この豪華な演奏に挟まれるとより引き立ちます。終盤の#8 “Nardis” 「ナーディス」は新しい世代のフレッシュな演奏で、聴きどころ満載の存分に楽しめる内容となっています。しかしながらあの名曲 “Blow Up” を再録して欲しかったと言うのは野暮でしょうかね。
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