「聴いときやー!」――ご存知、国民的ジャズシンガー綾戸智絵の2枚組ライブアルバム。[Disc1]が六本木のジャズクラブ「Sweet Basil 139」(300人規模)、[Disc2]が札幌のコンサートホール「キタラ」(2,000人規模)というそれぞれの会場の特色がうまくでたソロライブ録音。
[Disc1]は、カチャカチャとグラスや食器の音もかすかに聞こえるジャズクラブの雰囲気でいい感じ……と思いきや、綾戸の登場で笑い声に包まれて始まります。#2 “In A Mellow Tone” ではトロンボーンを模したスキャットが飛び出し、#5 “Give Me The Simple Life” ではノリノリの一人ビッグバンド(もちろん声で)、メッチャ楽しい!このエネルギー、喜びが全身から溢れでています。私もあまりの人気に「チケットがとれない」と言われた当時、同クラブでの彼女のライブに行ったことがあります。観客を巻き込み音楽を共に楽しもうとする姿勢に感激しました。彼女はお客さんを決してほっとかない。本アルバムでも代表曲ともいえる#4 “Tennessee Waltz” 「テネシー・ワルツ」はしっかりと聴けます。MCでも大爆笑をさそい、このライブでハッピーにならない人はいないでしょう。
[Disc2]は、大ホールのコンサート。彼女の歌声とピアノに空間的な広がりと深みが増します。#1 “Amazing Grace” 「アメイジング・グレイス」などはもちろん、特に私はポップスからの選曲がいつも楽しみですが、#3 “Your Song” 「僕の歌は君の歌」(エルトン・ジョン)、#6 “A Song For You” 「ア・ソング・フォー・ユー」(カーペンターズ)、#10 “Bridge Over Troubled Water” 「明日に架ける橋」(サイモン&ガーファンクル)、#11 “Yozora No Mukou” 「夜空ノムコウ」(SMAP)、#12 “Heart Of Gold” 「ハート・オブ・ゴールド~孤独の旅路」(ニール・ヤング)など聴きごたえがあり、胸に迫ります。エンターテイナー綾戸智絵の歌を聴くと、ジャズがポピュラー音楽であり、そして心の音楽であることを思い出させてくれます。
[Disc1:Jazz Club Side / Sweet Basil 139]
1. Only You
2. In A Mellow Tone
3. By The Time I Get To Phoenix
4. Tennessee Waltz
5. Give Me The Simple Life
6. Everybody Everywhere
7. Love Letters
8. Route 66
9. Love
10. Geogia On My Mind
11. Over The Rainbow
[Disc2:Concert Hall Side / 札幌コンサートホールキタラ]
1. Amazing Grace
2. His Eye Is On The Sparrow
3. Your Song~For All We Know
4. That’s All
5. September In The Rain
6. A Song For You
7. Work Song
8. You Are So Beautiful
9. It’s Only A Paper Moon
10. Bridge Over Troubled Water
11. Yozora No Mukou
12. Heart Of Gold
綾戸智絵 (vo,p)
Recorded Disc1:2000.12.12 / Disc2:2000.12.16