ピアノとギターとベースで奏でる、くつろぎとノスタルジー――2007年に逝去したジャズピアニストの巨人オスカー・ピーターソン。山中千尋がその訃報を聞き、もともと予定していた別の企画のレコーディングを変更して、「すぐに」吹き込んだというこの『アフター・アワーズ』。曲もピーターソンがレパートリーとしたスタンダードから選んでいます。山中千尋と言えば、民謡をジャズ化した「八木節」など考え抜かれた楽曲のアレンジ、スピードとキレのあるピアノといったイメージがありますが、このアルバムはいつもとは趣を異にします。ピアノとギターとベースというドラムレストリオの編成で、リラックスしたムードの演奏に、オスカー・ピーターソンに対する敬慕の念が溢れるかのようです。スタンダードの演奏に込める、その時代の人や音楽にはせる想い。ジャズは過去への旅でもあるのかもしれません。
第23回 日本ゴールドディスク大賞 ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤー
1. All Of Me
2. There Will Never Be Another You
3. Confirmation
4. You’d Be So NiceTo Come Home To
5. Sioux City Sue New
6. All The Things You Are
7. Over The Rainbow
8. Everything Happens To Me
山中千尋 (p)
アヴィ・ロスワード (g)
脇 義典 (b)
Recorded 2007