ビル・エヴァンス 『ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング』 Bill Evans “You Must Believe In Spring” 137


おそらく最も美しいジャズアルバムの一枚――このアルバムはビル・エヴァンスの死後発売され、その内容も、長年連れ添い彼との別れから自殺してしまった恋人へ捧げた#1 “B Minor Waltz (For Ellaine)”、同じく自殺した仲の良かった兄へ捧げた#4 “We Will Meet Again (For Harry)” など、別れにまつわるものに……。ミッシェル・ルグラン作の#2 “You Must Believe in Spring”、美しい旋律に漂う優しさと悲しみ。映画監督ロバート・アルトマンの代表作のテーマ#7 “Theme from M*A*S*H (Suicide Is Painless)” は、光を放つようなピアノの音色が駆け上がっていく至高の演奏、そして訪れる静寂。

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ビル・エヴァンス 『コンセクレイション/ラスト・レコーディングⅠ・Ⅱ』 Bill Evans “Consecration I, II” 200


ビル・エヴァンスが最後に放った閃光。1980年9月15日にビル・エヴァンスは肝硬変と肺炎の併発で51で亡くなりました。本作はその直前にサンフランシスコのジャズ・クラブ「キーストン・コーナー」での貴重な録音から編集されたものです。Ⅰ・Ⅱが2枚組で発売され、その後Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ(※未発表曲集)と分かれて再発されました。その他の音源も合わせた8枚組ボックスセットなどもあるようです。エヴァンスは若い世代のマーク・ジョンソン(b)、とジョー・ラバーバラ(ds)を擁し、スコット・ラファロ(b)、ポール・モチアン(ds)の伝説的なトリオをも凌駕するかもしれないと語っていたと言われ、彼らとの演奏を心から楽しんでいたようです。選曲はⅠ#6 “Polka Dots And Moonbeams”、#8 “Someday My Prince Will Come”、Ⅱ#2 “My Foolish Heart”、#7 “My Romance” などクールなロマンティシズムが堪能できる定番レパートリーで構成され、このトリオでのまた一味違う積極的なプレイが聴けて感慨深いものがあります。「Consecration」とは「献身」の意。ジャズにその身を捧げたビル・エヴァンスの最後の燃焼がここに記録されています。

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