レイ・ブライアント 『レイ・ブライアント・トリオ』 Ray Bryant “Ray Bryant Trio” 048


想い出の品、惚れ込んだ逸品……誰しもいくつかは持っている大切なもの、そんな宝物のようなアルバムが、咥え煙草のこの名盤。どことなく哀愁に染まったメロディーがポロポロとこぼれていきます。#1 “Golden Earrings” 「ゴールデン・イヤリング」が名演として有名ですが、#2 “Angel Eyes” 「エンジェル・アイズ」や#5 “Splittin’”、#6 “Thrill Is Gone” 「スリル・イズ・ゴーン」など、繊細なバラードがこの上なく美しいのです。まさに珠玉のような演奏。好きな人から貰ったアクセサリーを時々眺めてしまうように、時々思い出したように聴きたくなります。

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レイ・ブライアント 『アローン・アット・モントルー』 Ray Bryant “Alone at Montreux” 122


ピアノの音が活き活きと飛び跳ねる――オスカー・ピーターソンの代役としてモントルー・ジャズ・フェスティバルに急遽出演となったレイ・ブライアントのソロ・ステージ。大舞台ですが、もの怖じもせず溌剌としたタッチで弾きまくります。かなり調子が良さそうで、聴衆も大盛り上がり。このアルバムはライブの臨場感がよく伝わる録音。アンコールの#9 “Until It’s Time For You to Go” はレイと聴衆が一体となり、その瞬間を名残惜しむような切ない響きが感動を呼びます。ジャケットはちょっと怖いのだけれど……。

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