ダラー・ブランドというアフリカ人ジャズピアニストのオリジナリティ溢れるソロ作品。アフリカンフィーリングを感じさせるオンリーワンの独特なピアノ。湧き上がってくる感情をダイレクトに鍵盤にぶつけるタイプのピアニストです。高音域に重点をおく録音のECMレーベルのソロピアノのせいか、そのスタイルにキース・ジャレットのような土着的ニュアンスを感じさせます。それでいて、ストイックな現代音楽にも通じる響きもあるような……。なんとも形容しがたいピアノですが、おそらく彼の演奏とECMの肌合いの違う組み合わせが、不思議な効果を生んでいるのではないでしょうか。
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投稿者: JAZZCD.JP
アール・ハインズ 『ヒア・カムズ』 Earl Hines “Here Comes” 128
Swing Piano! 小気味良くスイングするピアノが心地いい。アール “Fatha” ハインズ。「ジャズピアニストの父」と呼ばれるベテラン大御所ピアニスト。その彼が、当時ジョン・コルトレーン・カルテットで活躍する若手エルヴィン・ジョーンズと、リチャード・デイビスを従えて収録されたのが、本作。古き良き時代の雰囲気を伝えるアール・ハインズの軽快なタッチが、魅力を振りまいて惹きつけます。肩肘張らずに楽しめるピアノトリオ盤。ホッと一息つきたいときは、こういうジャズが聴きたくなります。
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ファラオ・サンダース 『アフリカ』 Pharoah Sanders “Africa” 127
耳をつんざくような絶叫がサックスからほとばしる。#1 “You’ve Got To Have Freedom” はアドレナリン大放出の快感トラック。ノンストップで走り続けるピアノもいい。この疾走感。一転してリスペクトしてやまないジョン・コルトレーン作曲の美しいバラード#2 “Naima”、明るい楽園ムード漂う#4 “Speak Low”。#6 “Africa” は大地を踏み鳴らすような祝祭的リズムとミニマルに叫ばれる肉声、そしてその転調に意表をつかれます。#7 “Heart To Heart” はジャズクラブでひっそり演奏されるような都会的な趣きのバラード。コルトレーン・ミュージック継承者としての側面ばかりがクローズアップされがちですが、その多様なジャズ表現に魅せられます。
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ユセフ・ラティーフ 『イースタン・サウンド』 Yusef Lateef “Eastern Sounds” 126
深い森にこだますような神秘的な響き――#5 “Love Theme from Spartacus” 「スパルタカス 愛のテーマ」は心が洗われるような神聖な感動に包まれます。#1 “Plum Blossom” はバリー・ハリスのピアノも花咲くような牧歌的な味わい。#4 “Don’t Blame Me” の芳醇なバラードに酔い、#6 “Snafu” の渋味のあるハードバップを楽しむ。#8 “Love Theme from The Robe” は浪々と語られるもうひとつの愛のテーマ。マルチリード奏者ユセフ・ラティーフはジョン・コルトレーンがスピリチャル ジャズへ傾倒していく上で多大な影響を与えたと言われる人物。豊かな表現に一貫して流れる崇高な音色が美しい。
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ウラジミール・シャフラノフ 『ホワイト・ナイツ』 Vladimir Shafranov “White Nights” 125
優美で上質なピアノの調べ。90年代の名盤として知られる澤野工房の代表的一枚。北欧のジャズピアニスト、ウラジミール・シャフラノフは日本でも高い人気を誇ります。品の良さとキレのあるシャープな演奏が特徴で、ジャズに華やかなエレガンスを求める人にはおすすめ。
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