ザ・グレイト・ジャズ・トリオ 『アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』 The Great Jazz Trio “At The Village Vanguard” 134


ずいぶんと思い切ったネーミング……。自分ではこうは名乗れないよと思うのは、日本人だから? 「ハンク・ジョーンズ・トリオ」ではもの足りなかったのでしょうか。3人とも名前が売れてるからかな。ハンク・ジョーンズと言えば、名盤『サムシン・エルス』のピアノは彼ですね。演奏はもちろん名前負けしない良さなのだけれど。トニー・ウィリアムスの鉄壁な守備で、華麗な投球を見せるハンク・ジョーンズ、その球をしっかり受け止めるロン・カーターみたいな。でも、何で野球……。アメリカ人だから?

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菊地雅章 『ススト』 Masabumi Kikuchi “Susto” 133


壮大なるエレクトリック・グルーヴ・ミュージック――1978年頃、菊地雅章はエレクトリック時代のマイルス・デイビスのグループに参加する。しかし、リハーサルとレコーディングを繰り返すがアルバムは未発表。ギル・エバンスなど一流ミュージシャンとのコラボレーションを経た後、彼は日野皓正をはじめとする多数のミュージシャンを集め、ニューヨークと東京のスタジオで一大セッションを敢行する。そこで制作されたのが、『ススト』。マイルスと実現しようとしていた音楽は知る由もないが、菊地雅章は音がうねりとなって渦巻くようなこの音楽世界を完成させた。

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レッド・ガーランド 『ホエン・ゼア・アー・グレイ・スカイズ』 Red Garland “When There are grey skies” 132


カクテルピアノ――ホテルのバーのラウンジなどでBGMとして弾かれるピアノと揶揄されたレッド・ガーランドの引退作(71年にカムバック)。この言葉は否定的な意味合いで使われたようですが、良くも悪くも彼の演奏の特徴を言い表しているようです。ひとり物思いにひたりながら味わう珈琲よりも、素敵な恋人の隣で傾けるカクテルにレッド・ガーランドのジャズは似合いそう。品良くスイングするピアノもまた素敵です。

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ドン・フリードマン 『サークル・ワルツ』 Don Friedman “Circle Waltz” 131


ドン・フリードマン――当時はビル・エヴァンスのライバルと目されたピアニスト。知的で内省的なアプローチ、トリオの濃密なインタープレイ、そのリリシズムまで、思わずその演奏にエヴァンスを重ねてしまいます。#1 “Circle Waltz” は甘くゆらぐようなロマンティシズムが魅力的な佳曲。このアルバムは全編にわたりナイーブな気品が漂っていて、いつの間にかじっくりと耳を傾けてしまいます。

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MJQ モダン・ジャズ・カルテット 『ラスト・コンサート』 MJQ (The Modern Jazz Quartet) “The Last Concert” 130


「朝日のようにさわやかに」 「サマータイム」 「ホワッツ・ニュー」 「コンファメイション」 「ラウンド・ミッドナイト」 「チュニジアの夜」 「アンフェラス協奏曲」 「ジャンゴ」 「バグズ・グルーヴ」……全22曲CD2枚組。1974年のMJQ解散コンサートの完全盤です。ヴィブラフォンとピアノの掛け合いが特徴的な品のある端正な演奏ではありますが、そこにあるのは、まぎれもなく血がたぎってしまうようなジャズ・フィーリング。収録トータルタイム 2時間26分。これが最後という気迫が伝わってくる途切れない緊張感、22年に及ぶ活動の集大成となる演奏の完成度、聴き応えありすぎます。

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