ウラジミール・シャフラノフ 『ライブ・アット・グルーヴィ』 Vladimir Shafranov “Live at Groovy” 124


溌剌さと艶やかさが発揮された好盤。名盤の誉れ高い『White Nights』で有名なロシア出身で北欧のピアニスト ウラジミール・シャフラノフですが、私は本作の方が好きなのです。躍動感が活き活きと輝く#1 “Moon and Sand” やスピード感が爽快な#5 “Moments Notice” はすがすがしい魅力に溢れています。そして、#6 “Autumn Leaves”。この枯葉、ちょっと弾き過ぎなくらいエキサイティングしていて、なんだかちょっと色っぽい。

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アーマッド・ジャマル 『バット・ノット・フォー・ミー』 Ahmad Jamal “But Not For Me” 123


マイルス・デイビスが評価していたというピアニスト、アーマッド・ジャマル。マイルスが自身のグループへの参加を切望しましたが、アーマッドはシカゴを離れたくないとの理由から辞退します。音をそぎ落とすことで間を生みだすピアノトリオの演奏は、今聴いても新鮮でユニーク。でも、その響きはくつろぎのあるエレガントなもの。この絶妙なバランスがなんとも魅力的。

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レイ・ブライアント 『アローン・アット・モントルー』 Ray Bryant “Alone at Montreux” 122


ピアノの音が活き活きと飛び跳ねる――オスカー・ピーターソンの代役としてモントルー・ジャズ・フェスティバルに急遽出演となったレイ・ブライアントのソロ・ステージ。大舞台ですが、もの怖じもせず溌剌としたタッチで弾きまくります。かなり調子が良さそうで、聴衆も大盛り上がり。このアルバムはライブの臨場感がよく伝わる録音。アンコールの#9 “Until It’s Time For You to Go” はレイと聴衆が一体となり、その瞬間を名残惜しむような切ない響きが感動を呼びます。ジャケットはちょっと怖いのだけれど……。

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アキコ・グレース 『ニューヨーク・スタイル』 Akiko Grace “New York Style” 121


Jump! ヴァン・ヘイレンのあの超有名曲です! ロックのジャズ化は騒ぐほどのことでもないですが、アレンジが斬新で、真っ白い光が差してくるようなすがすがしく爽やかな演奏になっています。その他にも、静から動へのドラマティックな展開にクリアな音が冴え渡る#3 “Greensleeves” 「グリーンスリーヴス」、ニューヨークの世界貿易センタービル跡地グラウンド・ゼロへ捧げられたという、静寂のなかピアノの一音一音に祈りを込めていく#8 “Play Song ~ for Grand Zero” など、その新鮮な感覚がジャズの未来を感じさせる意欲作です。

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大野雄二 『Lupin The Third「Jazz」~Plays The Standards~』 Yuji Ohno Trio “Lupin The Third Jazz ‘Plays The Standards'” 120


「ルパン三世」がジャズの原体験だったのかも――幼い頃に見たTVアニメ「ルパン三世」に流れていたカッコイイ音楽こそ、今だにジャズを憧憬の対象として求めてしまう原点になっているのかもしれません。その「ルパン三世」の音楽を担当したのがジャズピアニストでもある大野雄二。「ルパン三世×ジャズ=大野雄二」の図式が広く定着しており、「LUPIN THE THE THIRD JAZZ」シリーズは人気の証です。その中でもピアノトリオでルパン曲も含むジャズスタンダードに挑んだのが本作。親しみやすい有名曲ばかりのくつろげる演奏なのでジャズビギナーにもおすすめですが、ここからジャズにどっぷりはまってしまうかも。

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