ザ・ウドゥン・グラス feat. ビリー・ウッテン 『ライヴ』 The Wooden Glass featuring Billy Wooten “Live” 119


ビブラフォン奏者ビリー・ウッテンのジャズ・ファンク大興奮のライブ!のっけから火を吹くような#1 “Monkey Hips & Rice”。いかにもファンクといったご機嫌なギターリフにひずんだオルガンの響き。このホットな演奏をバックに清涼感のあるビブラフォンの音色がクール。カーペンターズの#2 “We’ve Only Just Begun” や#4 “In The Rain” などのしんみりとしたバラードを挟むあたりも心憎い。とにかくアゲたいときに超オススメ。

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バド・パウエル 『ジ・アメイジング・バド・パウエル Vol.1』 Bud Powel “The Amazing Bud Powell, Volume One” 118


ブルーノートのバド・パウエルがいいんです!ビバップピアノの巨人バド・パウエルですが、RouletteやVerveなどのレーベルにも多くの傑作を吹き込んでいます。でも私が好きなのはBlue Noteのバドなんです。卓越した芸術性や繊細な表現以上に何か人を驚かせてやろうというような楽しさに溢れていて、そのエンターテイメント性のある演奏がいいのです。本作は前半がクインテット、後半がトリオと2つの編成による演奏が収録されています。前半のハードバップでは、ファッツ・ナバロのブリリアントなトランペットと素敵に転がりまくるバドのピアノが魅力的。ソニー・ロリンズのテナーも演奏に厚みを加えます。後半のピアノトリオでは、コミカルなネーミングの#12 “Un Poco Loco” 「ウン・ポコ・ローコ」が有名でしょうか。キレがあってコクもある。なんだかビールのようですが、本領を発揮したバドは爽快な気分にさせてくれること間違いなし。Blue Noteのプロデューサー アルフレッド・ライオンがプロデュースしたかった「Amazing」(驚くべき、すごい)なバドがここにいます。

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ズート・シムズ 『クッキン!』 Zoot Sims “Cookin’!” 117


この「枯葉」、何度聴いたのだろう。かつて私はこのズート・シムズの滋味溢れる音色の虜となり、毎日のように繰り返し聴いたものでした。本作はイギリスのクラブ出演時の現地ジャズマンとのセッション。気負いのない伸び伸びとした演奏でノリも良く、聴いていて気持ちの良い好盤です。しかしながらこのジャケット、何度見てもいただけない……。

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山下洋輔 『キアズマ』 Yosuke Yamashita “Chiasma” 116


押し寄せる轟音の洪水――1975年 山下洋輔トリオのドイツ、ハイデルベルク・ジャズ・フェスティバルでのライブ。聴衆も大盛り上がりで演奏終了後は拍手喝采。パワー、パッション、コンセントレーション……、ストイックにあらゆるものが混交し強大なうねりとなる。#3 “Chiasma” は、音を撒き散らす灼熱の演奏でありながら、クール。

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チャーリー・ヘイデン&ケニー・バロン 『ナイト・アンド・ザ・シティ』 Charlie Haden & Kenny Barron “Night and The City” 115


チャーリー・ヘイデンのベースとケニー・バロンのピアノが奏でる渋く静謐なデュオ作品。ライブ録音ですが演奏に落ち着きが感じられ、完成度の高いスタジオ録音のよう。ちなみに、ジャケットに使われてる絵はアメリカの女流画家ジョージア・オキーフのもの。秋の夜長にでもゆったりと聴くのにちょうどよい、大人のための味わい深い一枚です。

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