オスカー・ピーターソン in Japan 2004 Opening act 上原ひろみ


Opening act 上原ひろみ

2004年10月4日。この日は待ちに待ったオスカー・ピーターソンのコンサート。定時より少し遅れての開演。オープニングアクトは上原ひろみ。スレンダーな身体にフィットした黒いスパッツ姿、ふわっとふくらんだ髪の毛で登場し、そのままピアノの前に軽く座ると、いきなりスリーピースのロックバンドのように大音量で「XYZ」。あまりの超絶技巧にそこで弾いているのが嘘のよう。そして猫のようにしなやかに身体を弾ませ演奏するその姿は、まるで官能的なダンス。メロディアスな印象のアルバム『Brain』からの選曲がほとんどでしたが、ライブでは圧倒的な迫力で惹きつけ、その後のオスカー・ピーターソンの登場を一時忘れさせました。


[Set List]
1. XYZ
2. Desert on the Moon
3. Wind Song
4. If…
5. Kung-Fu World Champion


上原ひろみ (p)
Tony Grey (b)
Martin Valihora (ds)


オスカー・ピーターソン ――最後の来日公演――

控えめなライトの灯りの中、ゆっくりと狭い歩幅でピアノの前へ。ジャズピアニスト、オスカー・ピーターソンの登場です。観客も期待感を高めてその演奏を迎えます。高齢のため指がもつれるような感じは否めないですが、やはり本物だけが持ちえるオーラを放っています。 ピアノトリオにギターを加えた編成のメンバーも超一流。アップテンポの曲はこれこそJAZZと言わんばかりのノリで、時折、小さくガッツポーズのキメて本人も楽しそうな様子。バラードではただただ凛と美しい演奏に思わず涙がこぼれました。あっという間にコンサートが終わり、観客もスタンディングオベーション。その拍手に引き戻されるようにラストは「サテンドール」。会場の誰もがこの奇跡の巨匠に感謝した素敵な夜でした。


オスカー・ピーターソン in Japan 2004 Opening act 上原ひろみ


Oscar Peterson (p)
Niels Pedersen (b)
Ulf Wakenius (g)
Alvin Queen (ds)
東京国際フォーラム 2004.10.4