『ビル・エヴァンス―ジャズ・ピアニストの肖像』 ピーター・ペッティンガー著 相川京子訳 水声社 1999年


ビル・エヴァンス 語録・名言

どんなことでも成功する人には共通点がある。はじめに現実的な視点でものが見れること、問題が大きいことを知っていること、一段一段上って行かなくてはいけないことを知っていること、そして、この一段ごとに理解して行く行程を楽しめること。

本当に素晴しい結果を求めるなら、とても注意深く、創造的に、規律と自由を混ぜる必要がある。私は音楽はみなロマンティックだと思っているが、もし陳腐になるのなら、ロマンティシズムは邪魔である。一方、規律に基づいたロマンティシズムは美の最も美しい形態である。そしてこのトリオ(*ラファロ=モチアン)ではまさしくそのような組み合わせが始まろうとしていた所だったと思うんだ。

多くの人は問題の莫大さにまったく気付かず、すぐにそれを克服できないから自分には才能がないと思ってしまうか、克服することにムキになりすぎてその先にあるものに目を向けていないかのどちらかだと思います。でも問題を理解すれば、そこまでの道のりを楽しむことができると思うのです。

私は自分自身を他の人々のように才能があるとは思いません。でも、ある意味それが有利だったのは、私はすぐに器用にはなれなかったから、より分析的になる必要があり、結果としてこれが何かを作り上げるように私をし向けたのです。