マイルス・デイビス 『カインド・オブ・ブルー』 Miles Davis “Kind of Blue” 001


マイルス・デイビスが「モードジャズ」を完成させたモダンジャズの金字塔アルバム。それまでの「ハードバップ」とよばれるノリノリの演奏とは違い、抑制された緻密なニュアンスで構築されたジャズ。重厚なジャズの凄みが味わえる一枚で、私は聴く度にドキドキしてしまいます。深遠な静寂に誘う#3 “Blue In Green” 「ブルー・イン・グリーン」は、私の永遠のリピートナンバー。最初はとっつきにくい方もいるかもしれませんが、他のジャズアルバムをいろいろ聴いていくと、圧倒的な存在感で迫ってきます。

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ビル・エヴァンス 『ワルツ・フォー・デビイ』 Bill Evans “Waltz for Debby” 002


このアルバム程、聴きやすいジャズ名盤はないのではないでしょうか。#1 “My Foolish Heart” 「マイ・フーリッシュ・ハート~愚かなりし我が心」のロマンティックなイントロで幕を開ける美しく、くつろいだ演奏のひととき……ライブレコーディングなので、お客さんの食器がカチャカチャ音を立てたり、笑い声がかすかに入っていたり。でも、こういう風に楽しめるジャズっていいなと思います。同日セッションでスコット・ラファロ(b)をフィーチャーしたアルバム『Sunday At The Village Vanguard』もおすすめ。

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ジョン・コルトレーン 『バラード』 John Coltrane “Ballads” 003


「ジャズバラード」と思い浮かべて、そのイメージにぴったりくるバラード集。だからテレビなどでも大人の雰囲気を演出するようなシチュエーションでよく流れます。ジョン・コルトレーンは60年代、「フリージャズ」と呼ばれる内面的激情を放出させるような厳しいジャズに到達するのですが、それとは違いこのアルバムは彼の歌心が堪能できる一枚。このアルバムが気に入った方は、「歌モノ」ですが雰囲気の似ている『John Coltrane & Johnny Hartman』も大推薦。

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ソニー・ロリンズ 『サキソフォン・コロッサス』 Sonny Rollins “Saxophone Colossus” 004


#1 “St. Thomas” 「セント・トーマス」の明るい演奏は有名だから聴いたことがあるかもしれません。#2 “You Don’t Know What Love Is” 「あなたは恋を知らない」のバラードの深みのある音色、#3 “Strode Rode” 「ストロード・ロード」のユニークな疾走感、#4 “Moritat” 「モリタート」のミドルテンポの心地よいフレージングなど、全曲を通して豊かな曲想とよどみない奔放なアドリブの魅力が溢れています。聴きやすさの中に普遍的完成度を感じさせる懐の深いモダンジャズの代表的名盤です。

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アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ 『モーニン』 Art Blakey and The Jazz Messengers “Moanin” 005


ファンキージャズ! #2 “Moanin’” 「モーニン」はあまりにも有名。1961年来日した当時は社会的なブームになったとのこと。私が初めてこのアルバムを聴いたとき「ビートルズ以前に、こんなにカッコいい音楽やってた人たちがいるんだ!」と衝撃を受けたものです。また、ほとんどの場合ボーナストラックを不要と感じている私ですが、#1 “Warm-Up And Dialogue Between Lee And Rudy” にスタジオでのやりとりが収録されていて、これから始まる激しくファンキーな演奏の静かな前ぶれとなり、ゾクゾクしてしまいます。熱狂的ライブ盤『サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ』もおすすめ。

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