本田竹曠 『ジス・イズ・ホンダ』 Takehiro Honda “This Is Honda” 106


2006年1月14日、本日の夕刊によると12日、ジャズピアニスト本田竹広さんが急性心不全のためお亡くなりになりました。享年60歳。深い叙情性と激情を鍵盤に野太く伝えるその圧倒的でダイナミックな演奏が魅力でした。脳内出血による左半身麻痺からもリハビリで立ち直る強靭な精神力も彼の音楽を聴けば納得できます。この『This Is Honda』はブルージーなスタンダード集で、手持ちの彼のアルバムの中でも特に好きな1枚です。#1 “You Don’t Know What Love is” 「恋とは何か君は知らない」を聴くと胸の内からこみ上げてくる感情が溜息をつかせます。ジャズクラブでの演奏の合間に力強い握手をしていただいたことを思い出し、今日はとても悲しいです。ご冥福をお祈りいたします。

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上原ひろみ 『ブレイン』 Hiromi “Brain” 113


カンフー×ジャズ。なんとジャッキー・チェンとブルース・リーにインスパイアされて作られたという#1 “Kung-Fu World Champion”。超絶技巧を駆使し目にも止まらぬスピードで電子キーボード・ファイティング。ユニークなイマジネーション&クリエーションに度肝を抜かれます。#6 “Green Tea Farm” は故郷の静岡の茶畑をテーマに日本情緒を感じさせる佳曲。その他にも#2 “If…”、#3 “Wind Song” など晴れゆくような美しいフレーズが横溢するメロディックなアルバムです。

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上原ひろみ 『スパイラル』 Hiromi “Spiral” 114


祝! 2005年度 スイングジャーナル ジャズ・ディスク大賞 日本ジャズ賞受賞。衝撃のデビュー作『Another Mind』から数えて3作目。多様な音楽性とイマジネーションが交錯するオリジナルな世界観はもう堂に入ったもの。#1 “Spiral”、#2-#5 “Music for Three-Piece-Orchestra(組曲)”、#6 “Old Castle, by the river, in the middle of a forest” など、緻密に構成された壮大なピアニズムは感動的。

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山下洋輔 『キアズマ』 Yosuke Yamashita “Chiasma” 116


押し寄せる轟音の洪水――1975年 山下洋輔トリオのドイツ、ハイデルベルク・ジャズ・フェスティバルでのライブ。聴衆も大盛り上がりで演奏終了後は拍手喝采。パワー、パッション、コンセントレーション……、ストイックにあらゆるものが混交し強大なうねりとなる。#3 “Chiasma” は、音を撒き散らす灼熱の演奏でありながら、クール。

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大野雄二 『Lupin The Third「Jazz」~Plays The Standards~』 Yuji Ohno Trio “Lupin The Third Jazz ‘Plays The Standards'” 120


「ルパン三世」がジャズの原体験だったのかも――幼い頃に見たTVアニメ「ルパン三世」に流れていたカッコイイ音楽こそ、今だにジャズを憧憬の対象として求めてしまう原点になっているのかもしれません。その「ルパン三世」の音楽を担当したのがジャズピアニストでもある大野雄二。「ルパン三世×ジャズ=大野雄二」の図式が広く定着しており、「LUPIN THE THE THIRD JAZZ」シリーズは人気の証です。その中でもピアノトリオでルパン曲も含むジャズスタンダードに挑んだのが本作。親しみやすい有名曲ばかりのくつろげる演奏なのでジャズビギナーにもおすすめですが、ここからジャズにどっぷりはまってしまうかも。

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