ピアノとギターとベースで奏でる、くつろぎとノスタルジー――2007年に逝去したジャズピアニストの巨人オスカー・ピーターソン。山中千尋がその訃報を聞き、もともと予定していた別の企画のレコーディングを変更して、「すぐに」吹き込んだというこの『アフター・アワーズ』。曲もピーターソンがレパートリーとしたスタンダードから選んでいます。山中千尋と言えば、民謡をジャズ化した「八木節」など考え抜かれた楽曲のアレンジ、スピードとキレのあるピアノといったイメージがありますが、このアルバムはいつもとは趣を異にします。ピアノとギターとベースというドラムレストリオの編成で、リラックスしたムードの演奏に、オスカー・ピーターソンに対する敬慕の念が溢れるかのようです。スタンダードの演奏に込める、その時代の人や音楽にはせる想い。ジャズは過去への旅でもあるのかもしれません。
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山中千尋 『アフター・アワーズ~オスカー・ピーターソンへのオマージュ』 Chihiro Yamanaka “After Hours” 196
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