山本剛 『スピーク・ロウ』 Tsuyoshi Yamamoto “Speak Low” 153


スインギーで耽美的なピアニスト山本剛が、ヴィーナスレコードで吹き込んだ一枚。#1 “Cool Struttin’” 「クール・ストラッティン」、#4 “Misty” 「ミスティ」、#6 “Jealous Guy” 「ジャラス・ガイ」(ジョン・レノン)、#11 “Close To You” 「クロース・トゥ・ユー」(カーペンターズ)など親しみやすい選曲でグッド。ジャズバーの演奏で聴くような山本剛の魅力が楽しめます。

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太田寛二 『イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ』 Kanji Ohta “If You Could See Me Now” 155


なんだかつい聴いてしまう。くつろげる演奏が心地よくて、何となくいつもこれ。「バリー・ハリスのような」と形容される絶妙なタッチが光る太田寛二のアルバム。#1 “If You Could See Me Now” 「イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ」と#5 “All The Things You Are” 「オール・ザ・シングス・ユー・アー」。美しい旋律を愛でるように弾くこの2曲が大のお気に入り。

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鈴木勲 『ブルー・シティ』 Isao Suzuki “Blue City” 165


あの傑作『Blow Up』に続く鈴木勲のリーダーアルバム。#3 “Play Fiddle Play” では演奏にあわせ声でハミングします。声帯もまた楽器。弓で弾かれた弦の音色と重なりあう、その響きの味わい深さ。前作に続き菅野邦彦の鍵盤さばきも軽やかに冴え、若き渡辺香津美のギターが憂いをおびた色彩を添えます。ジャズの格好良さを随所に感じられる鈴木勲のクリエイティビティにしびれます。

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山本剛 『ミスティ』 Tsuyoshi Yamamoto “Misty” 190


Misty : 霧のたちこめた、雲のようにぼんやりとした――#1 “Misty” 「ミスティ」はジャズピアニストのエロール・ガーナーによる有名曲ですが、山本剛の代表的な演奏曲でもあります。美しい音色が緩やかに漂いながら惹き込んでいく陶酔の世界。ただただ麗しくたゆたう旋律を奏でながら、そこに裏打ちされているのは透徹した(澄み切った)精神のストイシズム。山本剛の本領がここに遺憾なく発揮されています。#2 “Blues” はキレのある音色が小気味よくスイングする自作曲。3曲目から最後まで、もう嬉しくなってしまうお馴染みスタンダードのオンパレード。硬質な音色がクリアに響く録音も秀逸です。ちなみにTBMレーベルのベストセラー第一位。

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山本剛 『オータム・イン・シアトル』 Tsuyoshi Yamamoto “Autumn In Seattle” 191


山本剛が弾く映画音楽――このサービス精神あふれるコンセプト。映画のテーマ曲からの選曲ですが、ジャズのスタンダードとしても良く知られているものばかり。アルバムタイトルにもなっている自作曲#3 “Autumn In Seattle” は映画音楽ではありませんが、これもドラマティックな叙情性をたたえた美しい佳曲。また彼の代表的な演奏曲として知られる#4 “Misty” をアップテンポの新鮮なアレンジで聴かせてくれたり、彼が高校時代に聴いてジャズピアニストを志すきっかけになった#7 “No Problem” など、彼を良く知るファンも十分に聴き応えのある内容となっています。映画とは観客を楽しませてくれたり、夢を見させてくれたり、感動を与えてくれたりするものですが、それがそのまま山本剛の演奏にも通じるという、このアルバムの心にくい演出。ゆったりとした気分で過ごしたいときには欠かせない愛聴盤です。

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