バルネ・ウィラン 『バルネ』 Barney Wilen “Barney” 154


映画『死刑台のエレベーター』の音楽で一躍脚光を浴びたバルネ・ウィランのリーダーアルバム。ケニー・ドーハム(tp)、デューク・ジョーダン(p)をパリのクラブ・サンジェルマンに迎えたライブ。飄々としたケニー・ドーハム節が冴え渡り、独特の間を挟み込むデューク・ジョーダンのタッチに、若きバルネ・ウィランは自らを鼓舞するように朗々と吹き続けます。妖しく浮かび上がる華やかさと哀愁の陰影に魅惑される一枚です。なおCDには同日セッションの4曲が追加収録され、珍しく嬉しいボーナストラックとなっています。

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山本剛 『スピーク・ロウ』 Tsuyoshi Yamamoto “Speak Low” 153


スインギーで耽美的なピアニスト山本剛が、ヴィーナスレコードで吹き込んだ一枚。#1 “Cool Struttin’” 「クール・ストラッティン」、#4 “Misty” 「ミスティ」、#6 “Jealous Guy” 「ジャラス・ガイ」(ジョン・レノン)、#11 “Close To You” 「クロース・トゥ・ユー」(カーペンターズ)など親しみやすい選曲でグッド。ジャズバーの演奏で聴くような山本剛の魅力が楽しめます。

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関根敏行 『ストロード・ロード』 Toshiyuki Sekine Trio “Strode Road” 152


200枚しかプレスされなかった幻のレコード――1978年、老舗ライブハウスのハウスピアニストだった関根敏行(当時23歳)のマイナーレーベルの希少盤ですが、堂々たる名盤の風格。キレのある鍵盤さばきが心地よく、圧倒的な激しさがありながら、無垢な繊細さも見え隠れします。ここには激しさ故にはかない青春の匂いがあります。

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ジョニー・グリフィン 『ザ・ケリー・ダンサーズ』 Johnny Griffin “The Kerry Dancers” 151


「学芸会のような演奏でいいのよ」――いつだったかジャズ喫茶のママがこのレコードをかけながら、そう教えてくれた一枚。「学芸会」というのは、いい意味で折り目正しいオーソドックスな演奏ということでしょうか。ジョニー・グリフィンのなめらかな琥珀色のトーンが流れ、かすかな湯気がゆらめくカップに、金属質の振動を伝えるスプーン。ミドルテンポの曲をただ珈琲と味わうだけ。

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フィル・ウッズ&ヨーロピアン・リズム・マシーン 『アライヴ・アンド・ウェル・イン・パリス』 Phil Woods & His European Rhythm Machine “Alive And Well In Paris” 150


1968年6月5日、ロバート・ケネディ暗殺。兄のジョン・F・ケネディに続き、凶弾に倒れたアメリカの希望の星 “ボビー” へ捧げられたレクイエム#1 “And When We Are Young” 「若かりし日」。狂おしいまでの情熱をぶつけ、悶えるように吹き続けます。チャーリー・パーカーを信奉し、彼の死後、その夫人と結婚。激動の60年代アメリカのジャズシーンの荒波にもまれ、68年にヨーロッパへ渡り心機一転吹き込んだアルバム。奔放にダイナミックに吹きまくるフィル・ウッズ。極限のテンションで一体化するリズム・セクション。昇華されるフラストレーションに熱き血潮がたぎります。

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