エディ・ヒギンズ 『魅惑のとりこ』 Eddie Higgins “Bewitched” 090


洗練された大人の色香――ジャズのジャケットはかくあるべきでしょう。「枯葉」といえば『Portrait in Jazz』でのビル・エヴァンスの名演が思い浮かびますが、このエディ・ヒギンズの曲目を見るとエヴァンスのレパートリーを思わせます。ヒギンズの方がよりテクニカルで、華麗な印象です。そして#13 “Autumn Leaves” 「枯葉」。私はこれをエヴァンス・スクールの一つの完成形としてお勧めします。全体を貫く木枯らしのような疾走感、クラシックのような華やかな格調もあり、枯葉が散る様の描写から恋焦がれる情感の表現まで、極めて完成度の高い名演です。上質なジャズの芳醇な香りを堪能してみては如何でしょう。

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エロール・ガーナー 『コンサート・バイ・ザ・シー』 Erroll Garner “Concert By The Sea” 089


これ、おもしろジャケットですよね。東映映画のロゴが似合いそうな荒波と岩場、浮かれた女性が両手を広げて何をやってるんでしょうか。アバウトなタイトルをアウトにしてしまうこのジャケット、狙いがあるようでないようで……うーん、もうお手上げ。ちょっと中身が心配になってきますが、ご安心を。名盤です。名曲#4 “Autumn Leaves” 「枯葉」は、叙情的な哀愁が濃厚に漂い、ドラマチックな展開をみせてくれます。あまりに良さに、浮かれてしまうかも?

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ウィントン・ケリー 『枯葉』 Wynton Kelly “Wynton Kelly!” 088


カラフルなジャケットが目を引くウィントン・ケリーの人気アルバム!多彩なピアノを聴かせてくれる彼にピッタリなジャケットです。#1 “Come Rain or Come Shine” 「降っても晴れても」のお馴染みのメロディで早速ウキウキとした演奏がはじまります。#2 “Make the Man Love Me” は一転して情感たっぷりなバラード。そして#3 “Autumn Leaves” へ。ウィントン・ケリーのピアノは、小気味よくスイングしながら、叙情性も感じさせる魅力的な表情をもっています。赤や黄と鮮やかに色づいては、ハラハラと散ってしまう「枯葉」のように。

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ブルー・ミッチェル 『ブルーズ・ムーズ』 Blue Mitchel “Blue’s Moods” 087


陽光に輝くトランペット、真っ直ぐにどこまでものびてゆくフレージング。ブルー・ミッチェルのトランペットには、陽の光を浴びてジーンと肌にぬくもりを感じるような心地よさがあります。例えば、マイルス・デイビスの音色が張り詰めた闇だとしたら、ブルー・ミッチェルのそれは朗らかな光でしょう。彼の光を受けてウィントン・ケリーも輝きを増す#1 “I’ll Closed My Eyes” 「アイル・クローズ・マイ・アイズ」が素晴らしい。

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MJQ モダン・ジャズ・カルテット 『コンコルド』 MJQ (The Modern Jazz Quartet) “Concorde” 086


何と言ってもミルト・ジャクソンの演奏するビブラフォン(鉄琴の一種)の音色が、MJQ(The Modern Jazz Quartet)を特徴づけています。それに、この黒人4人組はビシッっとスーツでキメて、まるでクラシックのように上品にジャズを演奏するという独自のスタイル。品のある演奏するMJQではありますが、#5 “Softly, As in a Morning Sunrise” 「朝日のようにさわやかに」などでは、徐々に熱気を帯び始め、ジャズらしいアーシーな(黒人っぽい)匂いにも魅了されます。

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