アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ 『モザイク』 Art Blakey & The Jazz Messengers “Mosaic” 178


ターララ、ラーラララ、ターラーラー――1曲目 “Mosaic” イントロからしびれます。フレディ・ハバード(tp)、ウェイン・ショーター(ts, 音楽監督)、カーティス・フラー(tb)の三管構成、ピアニストもシダー・ウォルトン(p)へと大幅メンバーチェンジ。アート・ブレイキーのハードなドラミングに煽られて興奮のるつぼに! そしてやはりメッセンジャーズはこのハーモニーがあるから盛り上がっちゃうんでしょうね。

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リー・モーガン 『ザ・サイドワインダー』 Lee Morgan “The Sidewinder” 179


8 ビートのロックのリズムにジャズがのる! ――60年代新しい「ジャズロック」としてヒットした#1 “The Sidewinder” 「ザ・サイドワインダー」が有名な人気盤です。(ヒットチャート曲81位、アルバム25位)このタイトル曲のリズミックなノリのよさは、ハービー・ハンコックの “Watermelon Man” 「ウォーターメロン・マン」と双璧をなすのではないでしょうか。本アルバムの2曲目以降はノリのよいハードバップです。やっぱリー・モーガンはグッド!

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デクスター・ゴードン 『ラウンド・ミッドナイト』 Dexter Gordon “Round Midnight” 185


デクスター・ゴードン主演映画『ラウンド・ミッドナイト』のサウンドトラック。映画でもナイトクラブでの演奏シーンが印象深いですが、本作もゆったりしたバラード中心の選曲となっています。夜に似合うJazzyなアルバムとして楽しめます。そして参加ミュージシャンがこれまた豪華。少々挙げますと、デクスター・ゴードン、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、チェット・ベイカー、ロン・カーター、トニー・ウィリアムズ、フレディ・ハバード、ボビー・ハッチャーソン、ボビー・マクファーリン、ジョン・マクラフリン、シダー・ウォルトン……。パーソネルを確認しながら聴くのも楽しい良盤です。

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ソニー・ロリンズ 『Volume 2』 Sonny Rollins “Volume 2” 194


「パワーソング」なるものがあります。文字通り元気が出る曲のことですが、アルバムでチョイスするなら私はこの一枚でしょうか。ソニー・ロリンズにピアニストがセロニアス・モンクとホレス・シルバーの交代制。このメンツ、どうしてもマイルスの『バグズ・グルーブ』を思い出してしまいます。世に言う「クリスマス(喧嘩)セッション」。マイルスのソロのバックでは「モンクは弾くな」と言ったとか言わないとか。このアルバムも結構好きなんですが、妙な緊張感も感じたりして……。もともと糸を吐いていくようなマイルスのトランペットと、ブツンブツンとぶつ切りにするようなピアノの相性は難しいのかも。その点本作は「ブヴァー」っとロリンズが快音でブローしてくれますので安心。#3 “Misterioso” モンクの独特の間のあるピアノのイントロに、ブレイキーとロリンズがそろそろと付いていくのも何とも可笑しい。やっぱりモンクは全部もってっちゃう感じがずるいかも。でもこの緊張感のあと、ホレス・シルバーのパートだとこっそりホッとしたりして。『バグズ~』ではミルト・ジャクソンのヴァイブが印象的ですが、本作はジャイ・ジェイ・ジョンソンのトロンボーンが心地よい艶のある音色で、個性派たちの間にすっぽりとうまく収まっています。ベースはハードバップを支え続けた名手ポール・チェンバース。そして#4 “Reflections” では「ズガーン」「ドガーン」と轟音で炸裂するドラム、アート・ブレイキーもやっぱり強烈。ブレイキーのドラムにあおられて、ロリンズ節を心ゆくまで堪能すれば、「元気があれば何でもできる」という気になります。「パワーアルバム」お試しあれ。

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