バルネ・ウィラン 『バルネ』 Barney Wilen “Barney” 154


映画『死刑台のエレベーター』の音楽で一躍脚光を浴びたバルネ・ウィランのリーダーアルバム。ケニー・ドーハム(tp)、デューク・ジョーダン(p)をパリのクラブ・サンジェルマンに迎えたライブ。飄々としたケニー・ドーハム節が冴え渡り、独特の間を挟み込むデューク・ジョーダンのタッチに、若きバルネ・ウィランは自らを鼓舞するように朗々と吹き続けます。妖しく浮かび上がる華やかさと哀愁の陰影に魅惑される一枚です。なおCDには同日セッションの4曲が追加収録され、珍しく嬉しいボーナストラックとなっています。

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ジョン・コルトレーン 『スターダスト~ジョン・コルトレーン・プレイズ・バラード』 John Coltrane “Stardust” 159


もしも、プレスティッジに『バラード』があったなら――ご存知モダンジャズ史上に燦然と輝く大名盤『Ballads(バラード)』は、1962年にインパルスレーベルで制作されました。この『Stardust(スターダスト)』は、1956年~58年にプレスティッジレーベルで録音されたバラードをピックアップしたコンピレーションバラード集。ほら、曲目を眺めるだけで聴きたくなるでしょう?

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デューク・ジョーダン 『フライ・トウ・ジョーダン』 Duke Jordan “Flight To Jordan” 174


『Flight To Jordan』――デューク・ジョーダンの不遇のアメリカ時代にブルーノートで制作されたリーダーアルバム。タイトルの「Jordan」は、彼の名前と同じアルファベットの綴りの「ヨルダン」にかけて付けられています。「冗談」のような駄洒落です。彼はミュージシャンとしての生活が一時困窮し、タクシードライバーをしてしのぐという洒落にならない有様でした。また、ジョーダン作曲の仏映画『危険な関係』の主題曲「No Problem」(アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ演奏)がヒットするも、作曲者名未記載でトラブルとなり、全然「No Problem」じゃない状況になります。この曲は#6 “Si-Joya” と改題して本アルバムに収録されています。なんだか散々なエピソードばかり……。しかしその哀愁のある名曲と朴訥(ぼくとつ)とした演奏は海外では評価されており、60年代に渡欧。レコーディングでは70年代に復帰、名盤『Flight To Denmark』などを発表し活躍します。こだわりのタイトルが良かったようです。

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ホレス・シルバー 『ソング・フォー・マイ・ファーザー』 Horace Silver “Song For My Father” 175


何とも個性的な楽曲の数々――ホレス・シルバーのラテン・フレーバー香る表題曲#1 “Song For My Father” 、トロトロととろけそうな絶品バラード#6 “Lonely Woman”など、オリジナリティあふれる彼の作曲センスと、もちろんファンキーなノリも心ゆくまで堪能できます。ハマるとクセになるので、くれぐれも聴き過ぎにはご注意を。

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MJQ モダン・ジャズ・カルテット 『ジャンゴ』 MJQ (The Modern Jazz Quartet) “Django” 177


偉大なるジャズギタリストのジャンゴ・ラインハルトに捧げられた名曲#1 “Django” 「ジャンゴ」。哀愁を帯びた美しいメロディがつむぎだされていきます。ゆったりとたゆたうような#9 “Milano” 「ミラノ」もいいです。『Concorde』と『Django』がMJQの二大アルバムでしょう。

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