レッド・ガーランド 『ホエン・ゼア・アー・グレイ・スカイズ』 Red Garland “When There are grey skies” 132


カクテルピアノ――ホテルのバーのラウンジなどでBGMとして弾かれるピアノと揶揄されたレッド・ガーランドの引退作(71年にカムバック)。この言葉は否定的な意味合いで使われたようですが、良くも悪くも彼の演奏の特徴を言い表しているようです。ひとり物思いにひたりながら味わう珈琲よりも、素敵な恋人の隣で傾けるカクテルにレッド・ガーランドのジャズは似合いそう。品良くスイングするピアノもまた素敵です。

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ザ・グレイト・ジャズ・トリオ 『アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』 The Great Jazz Trio “At The Village Vanguard” 134


ずいぶんと思い切ったネーミング……。自分ではこうは名乗れないよと思うのは、日本人だから? 「ハンク・ジョーンズ・トリオ」ではもの足りなかったのでしょうか。3人とも名前が売れてるからかな。ハンク・ジョーンズと言えば、名盤『サムシン・エルス』のピアノは彼ですね。演奏はもちろん名前負けしない良さなのだけれど。トニー・ウィリアムスの鉄壁な守備で、華麗な投球を見せるハンク・ジョーンズ、その球をしっかり受け止めるロン・カーターみたいな。でも、何で野球……。アメリカ人だから?

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デューク・エリントン 『マネー・ジャングル』 Duke Ellington “Money Jungle” 135


デューク・エリントン × チャールズ・ミンガス × マックス・ローチ――嘘みたいな組み合わせ。デューク・エリントンといえば、自身の楽団を率いたビッグバンドジャズの巨匠。チャールズ・ミンガスは、黒人の情念を独創的なジャズに昇華した個性派。マックス・ローチは、クリフォード・ブラウンと組み人気を博したハードバッパー。夢の異種格闘技戦のようにも感じますが、聴けばやはり、強烈!デューク・エリントンのモダニズムは同時期に録音された『Duke Ellington & John Coltrane』でも確認できますが、本作での強烈な圧でぐいぐい押しまくるピアノには、驚愕!このアルバムの張り詰めたような緊張感は、ちょっと怖いくらい。

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ホレス・パーラン 『アス・スリー』 Horace Parlan “Us Three” 136


黒く、渋く、格好良し――ジャケットデザインも目を引くホレス・パーランの人気盤。粘りのあるパワフルなノリで引き込み一気に突き進む#1 “Us Three”、ゆっくりと抑制をきかせたメロウなバラッド#2 “I Want To Be Loved”、軽快なスタンダードをブルーに染める#3 “Come Rain or Come Shine” 「降っても晴れても」等、アーシーな演奏が魅力的なアルバムです。ブルーノートらしい重低音ピアノトリオ・サウンドの真骨頂!

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バリー・ハリス 『アット・ザ・ジャズ・ワークショップ』 Barry Harris “At The Jazz Workshop” 156


軽妙洒脱――バド・パウエル系の名手バリー・ハリスの名作。お馴染みのスタンダードナンバーによる選曲で、軽快に淡々と演奏されるピアノトリオのライブ盤です。何とも味わい深い響きをもつ音色は魅力的。鍵盤がスイングしながら軽快にゆらめき、もう聴くだけで愉しくなる。

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