ジョン・コルトレーン 『マイ・フェイヴァリット・シングス』 John Coltrane “My Favorite Things” 080


#1 “My Favorite Things” 「マイ・フェイバリット・シングス~私のお気に入り」です。映画『サウンド・オブ・ミュージック』の曲ですが、今となっては、「そうだ、京都へ行こう」でお馴染みのJR西日本のコマーシャルの曲と言った方が分かりやすいかもしれませんね。とても素敵なメロディーで、私も大好きです。コルトレーンのソプラノサックスによる演奏は、ちょっとハードな感じ。クセになるような不思議な常習性があるようで、何度も聴きたくなるのは私だけでしょうか。

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キース・ジャレット 『マイ・ソング』 Keith Jarrett Quartet “My Song” 083


現在では、ジャズのスタンダードに新鮮な解釈で、新たな息吹を吹き込み続ける、スタンダーズ・トリオとして有名なキース・ジャレット。でも、70年代までの彼は、独創的なオリジナルを中心に演奏していました。本作は、まさにその頃の躍動的なリズム、美しいメロディー、叙情的な雰囲気に包まれたアルバムです。特に#4 “Country” は、ヤン・カバレクの哀愁を帯びたソプラノサックスの音色に、光さすようなピアノの旋律がすばらしく、私は何度聴いたか知れません。

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デクスター・ゴードン 『アワ・マン・イン・パリ』 Dexter Gordon “Our Man in Paris” 085


ぶっきら棒なテナー、ドラムはせわしなく落ち着かず、バド・パウエルのピアノは何故か弱々しい。でも、妙なアンバランスさと荒削りな演奏は不思議なインパクトで聴かせます。デクスター・ゴードンとバド・パウエルは、50年代に麻薬に苦しみ、60年代のこの時期は共にヨーロッパに身を寄せ、心機一転復活を遂げます。つらい時期を経験したせいでしょうか、このアルバム、聴き込むと何か超越した凄みを感じさせます。#7 “Like Someone in Love” 「ライク・サムワン・イン・ラブ」のテナーなしのボーナストラックはとてもいいんだけど、これってあり?

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ブルー・ミッチェル 『ブルーズ・ムーズ』 Blue Mitchel “Blue’s Moods” 087


陽光に輝くトランペット、真っ直ぐにどこまでものびてゆくフレージング。ブルー・ミッチェルのトランペットには、陽の光を浴びてジーンと肌にぬくもりを感じるような心地よさがあります。例えば、マイルス・デイビスの音色が張り詰めた闇だとしたら、ブルー・ミッチェルのそれは朗らかな光でしょう。彼の光を受けてウィントン・ケリーも輝きを増す#1 “I’ll Closed My Eyes” 「アイル・クローズ・マイ・アイズ」が素晴らしい。

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ハンク・モブレー 『ソウル・ステーション』 Hank Mobley “Soul Station” 092


音がいいのです。私が持っているのは、RVGの24-bitのリマスタリング盤なのですが、音の奥行きにはちょっとびっくりします。抜群の録音に相応しく、演奏の方もツヤのある音色がご機嫌に光ります。ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・ブレイキー(ds)の第一級のリズム・セクションをバックに、ハンク・モブレーのテナーがメロディックに響き渡ります。朴訥としていながらも華のある何ともいえない魅力的なフレージングにしびれます。

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