ジャッキー・マクリーン 『スイング・スワング・スインギン』 Jackie McLean “Swing, Swang, Swingin'” 098


タイトルからして勢いの感じられるジャッキー・マクリーン最大のヒット作。爽快にブローしています。楽曲も#1 “What’s New?” 「ホワッツ・ニュー」など耳馴染みのよいスタンダード中心で、とても聴きやすく楽しめるアルバムです。やっぱりジャズは、「スイングしなけりゃ、意味ないね」。

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アート・ファーマー 『アート』 Art Farmer “ART” 099


メロウなブロウ。暖かみのあるフレージングが心なごませるワンホーンのバラード集。丹念に塗り重ねられたタッチが、ある種の誠実さを伝える端正な絵画のような印象でしょうか。絵画もジャズもハートに訴えかけてくる作品こそが名作。宿命的な名をもつトランペッターのこの作品も叙情的な美しさが豊かに表現された「ART」でしょう。

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ビル・エヴァンス 『アフィニティ』 Bill Evans “Affinity” 108


秋めいていく黄昏時に最適な一枚。余韻を残しながら広がってゆく美しい叙情性。トゥーツ・シールマンスのハーモニカとビル・エヴァンスのピアノの響きにいささかセンチメンタル、感傷的なきらいあるのですが、不思議と鼻につかないのです。というよりこの絶妙なセンチメンタリズムがこのアルバムの魅力でしょう。こういうアルバムをお探しの方がいらっしゃるのではないでしょうか? ストイックなジャズではちょっと辛いし、イージーリスニングだとちょっと甘いし、みたいな。

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ズート・シムズ 『クッキン!』 Zoot Sims “Cookin’!” 117


この「枯葉」、何度聴いたのだろう。かつて私はこのズート・シムズの滋味溢れる音色の虜となり、毎日のように繰り返し聴いたものでした。本作はイギリスのクラブ出演時の現地ジャズマンとのセッション。気負いのない伸び伸びとした演奏でノリも良く、聴いていて気持ちの良い好盤です。しかしながらこのジャケット、何度見てもいただけない……。

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ユセフ・ラティーフ 『イースタン・サウンド』 Yusef Lateef “Eastern Sounds” 126


深い森にこだますような神秘的な響き――#5 “Love Theme from Spartacus” 「スパルタカス 愛のテーマ」は心が洗われるような神聖な感動に包まれます。#1 “Plum Blossom” はバリー・ハリスのピアノも花咲くような牧歌的な味わい。#4 “Don’t Blame Me” の芳醇なバラードに酔い、#6 “Snafu” の渋味のあるハードバップを楽しむ。#8 “Love Theme from The Robe” は浪々と語られるもうひとつの愛のテーマ。マルチリード奏者ユセフ・ラティーフはジョン・コルトレーンがスピリチャル ジャズへ傾倒していく上で多大な影響を与えたと言われる人物。豊かな表現に一貫して流れる崇高な音色が美しい。

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