エリック・ドルフィー 『アット・ザ・ファイヴ・スポット VOL.1』 Eric Dolphy “Eric Dolphy At The Five Spot, Vol.1” 075


調子をはずしたかのような音が、危ういバランスを保ちながら、神出鬼没の浮遊を繰り返す――エリック・ドルフィーの演奏は、尋常ではない迫力で、潜在的な音が一気に噴出し、とどめようがないよう。ブッカー・リトル(tp)やマル・ウォルドロン(p)などメンバーも、この奇跡的な邂逅にも臆するところなく、肝の据わったプレイを披露しています。

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ウェス・モンゴメリー 『フル・ハウス』 Wes Montgomery “Full House” 074


カリフォルニアの「ツボ」クラブでのライブ録音。#1 “Full House” から鮮やかなギターの音色も軽快にノリの良い演奏が始まります。ウィントン・ケリー(p)やジョニー・グリフィン(ts)との相性も良く、聴衆も一体となってこのライブを楽しんでる様子が伝わってきます。全体的にメンバーそれぞれの余裕をもったプレイが印象的で、絶妙な間をもった掛け合いと、そこに聴衆の程よい反応も加わり、ジャズらしいグルーブ感が心地よい名盤です。

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ジム・ホール 『アランフェス協奏曲』 Jim Hall “Concierto” 073


#4 “Concierto de Aranjuez” 「アンフェラス協奏曲」とは、スペインの作曲家ホアキン・ロドリーゴの「ギターとオーケストラのための協奏曲」で、マイルス・デイビスが『Sketches of Spain』で採り上げたことからジャズでも広く演奏されるようになりました。チェット・ベイカー(tp)、ポール・デズモンド(as)のソフトな音色に、ロン・カーター(b)、スティーブ・ガッド(ds)の重みのあるリズム、ローランド・ハナ(p)が華を添え、ジム・ホール(g)の爪弾く弦の調べが哀愁を誘います。イージーリスニング路線で成功を収めたCTIレーベルですが、本作品が同レーベルで最大のセールスを記録しているそうです。

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ビル・エヴァンス&ジム・ホール 『アンダー・カレント』 Bill Evans & Jim Hall “Undercurrent” 072


水面下にたゆたう女性の美しく幻想的なジャケットが素晴らしい。「Undercurrent」とは「底流」の意。通常スローバラードとして演奏される「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」をアップテンポなピアノとギターの二重奏アレンジにした#1 “My Funny Valentine” は名演として名高く、渾然一体となってうねる完成度の高いインタープレイに圧倒されます。その他の曲では、ミディアムテンポのゆったりとした演奏に身を任せましょう。ビル・エバンスのピアノとジム・ホールのギターというシンプルな共鳴が、波紋のように広がり、品のあるロマンティシズムを漂わせます。

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ウェス・モンゴメリー 『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』 Wes Montgomery “A Day in the Life” 071


#1 “A Day in the Life” 「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」……そうです、ビートルズの。#6 には、“Eleanor Rigby” 「エレノア・リグビー」まであります。他にも#3 “When a Man Loves a Woman” 「男が女を愛する時」などロックやポップスからの選曲、ストリングスを採り入れるなど新鮮味のあるアレンジが魅力的。ウェス・モンゴメリーのギターのタッチも軽やかにイージーリスニング ジャズを奏でます。この楽天的な「イージー」な感じが、昼下がりのカフェに似合いそうなおしゃれ感をかもし出しています。

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