ジャケットを見ると激しくシャウトしてるようですが、中身はソフト。薄明かりのジャズバーでしっとりと歌うジャズシンガーというイメージにぴったりくるのではないでしょうか。リップノイズや息遣いも「大人の女」の雰囲気を漂わせ、彼女は「ニューヨークのため息」と称されています。デリケートに低く落ち着いた彼女の声と、夭折の天才クリフォード・ブラウンのブリリアントなトランペットとのコントラストや、アルバム構成など、若き日(当時21歳)のクインシー・ジョーンズによるプロデュースは、奇跡のように完璧。
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投稿者: JAZZCD.JP
バド・パウエル 『ザ・シーン・チェンジズ』 Bud Powell “The Scene Changes” 009
うなってます。うなってるんですよ、ピアノ弾きながら。最初聴いたとき、衝撃でした。恥ずかしながら告白いたしますが、これ以来私、うなり声フェチとなってしまいました……。キース・ジャレットも捨てがたいですが、やはりバド・パウエルのうめき、たまりません。ジャズはパッションの表出なのです。全曲彼のオリジナルで、#1 “Cleopatra’s Dream” 「クレオパトラの夢」は名曲。#5 “Borderick” は何とも愛らしい。ジャケットで、後ろからちょこっと顔を覗かせているのは彼の息子らしい。
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アート・ペッパー 『アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション』 Art Pepper “Art Pepper Meets The Rhythm Section” 008
「The Rhythm Section」とはマイルス・デイビスの黒人リズムセクション。当時の米国ジャズ界は、ホットな黒人系のイーストコースト、クールな白人系のウエストコーストとそれぞれに特色がありましたが、双方を代表する彼らの「Meets」が名盤を生みました。また、麻薬とセットで語られることの多いアート・ペッパー。これは出所後、久しぶりにアルト・サックスを吹いたと言われていますが、演奏はよどみなくさわやかです。#1 “You’d Be So Nice To Come Home To” 「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」、#8 “Star Eyes” 「スター・アイズ」が軽快でいいです。でもこのアルバムジャケット、クラシックのCDみたい……。
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ソニー・クラーク 『クール・ストラッティン』 Sonny Clark “Cool Struttin'” 007
何といっても、このジャケットでしょう。ゴダールの映画のようにおしゃれ。ウキウキしてくるような#1 “Cool Struttin’” 「クール・ストラッティン」のイントロ。ロゴも踊ってますね。ダイナミックな#4 “Deep Night” 「ディープ・ナイト」も爽快。本国アメリカより日本で評価されたアルバムとして有名です。ソニー・クラークがサイドマンに回ったアルバム『Candy』『GO!』も私の愛聴盤。彼のピアノ、トロトロとした不思議な音がします。
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キャノンボール・アダレイ 『サムシン・エルス』 Cannonball Adderley “Somethin’ Else” 006
このアルバムの紹介で必ずいわれるのが、「キャノンボール・アダレイ名義だが、実質リーダーはマイルス・デイビス……」なんだか可哀想な話でもありますが、アルトサックスのソロもマイルスのそれに劣らずいいです。#1 “Autumn Leaves” の4分超えたあたり一瞬ちょっと音が高ぶるようなところなんか、グッときます。この「枯葉」はジャズ史上最高の名演のひとつで、ヘビーローテーション間違いなし!
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