マイルス・デイビス 『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』 Miles Davis “‘Round About Midnight” 026


男なら煙草の煙をくゆらせながら、バーボンをストレートで静かにあおる……そんなハードボイルドな夜を気取りたい時、ぴったりなのがこの名盤。特に#1 “’Round Midnight” 「ラウンド・ミッドナイト」はイントロから格好良すぎ。ジャケットのマイルスにも惚れてしまいます。帝王マイルスは(矢沢)永ちゃん像に通じるものがあります。

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ジェリー・マリガン 『ナイト・ライツ』 Gerry Mulligan “Night Lights” 027


「ナイト・ライツ」……ぼうっと滲むような暖かい灯りなのでしょうか。こんなにも優しくゆったりとしたアルバムは、ありそうでいて、なかなかめぐり逢えません。バリトンサックス奏者ジェリー・マリガンのピアノも聴ける#1 “Night Lights (1963 Version)” 「ナイト・ライツ」、有名曲#2 “Morning Of The Carnival From Black Orpheus’” 「カーニヴァルの朝」、静かに続く#3 “In The Wee Small Hours Of The Morning”、クラシックの#4 “Prelude In E Minor” 「プレリュード・イン・Eマイナー」……ラストトラックまで、ただこの優しい抱擁に身をまかせるだけでいいのです。

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キース・ジャレット 『メロディ・アット・ナイト、ウィズ・ユー』 Keith Jarrett “The Melody At Night, With You” 028


……泣。川端康成の文章に「悲しいほど美しい声」というのがありましたが、まさにそんなピアノの音なのです。静謐な美しさがあふれてきます。眠る前によくかけていたら、当時付き合っていた彼女が憶えたようで、#1 “I Loves You, Porgy” 「愛するポーギー」を聴くと「おやすみの音楽ね」と言っていました。好きな人と過ごす穏やかな夜におすすめです。音楽はその時の記憶を封じ込め、聴くたびにそれを甦らせるから不思議……泣。

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ルイ・アームストロング 『この素晴らしき世界』 Louis Armstrong “What A Wonderful World” 029


なんと言っても#1 “What a Wonderful World” 「この素晴らしき世界」でしょう。たった2分ちょっとのシンプルな曲でありながら、ベートーベンの第九交響曲にも匹敵するような人類史上不滅の名曲!サッチモ(ルイ・アームストロングの愛称)の人間味に溢れた暖かい「ダミ声」には、大きく包み込むような父性を感じます。#2 “Cabaret” 「キャバレー」、#7 “Hello Brother” 「ハロー・ブラザー」など他の曲も味わい深い明るい曲が多く、アルバムとしても良いです。なお、「この素晴らしき世界」はテリー・ギリアム監督の映画『12モンキーズ』に使われています。「古き良きアメリカ」のイメージですね。

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デイヴ・ブルーベック 『タイム・アウト』 Dave Brubeck “Time Out” 030


#3 “Take Five” 「テイク・ファイブ」は、1987頃にタケダのアリナミンVドリンクのCMで使われ有名になったようです。なので、この曲はある年齢以上の方々には、潜在的にすり込まれていると思われます。でも、こんなにも鮮明に耳につくジャズも珍しい。#1 “Blue Rondo A La Turk” 「トルコ風ブルーロンド」をはじめ全曲、ミロの絵画のように変化に富んだ音の舞踏を楽しめます。

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