エリック・ドルフィー 『アット・ザ・ファイヴ・スポット VOL.1』 Eric Dolphy “Eric Dolphy At The Five Spot, Vol.1” 075


調子をはずしたかのような音が、危ういバランスを保ちながら、神出鬼没の浮遊を繰り返す――エリック・ドルフィーの演奏は、尋常ではない迫力で、潜在的な音が一気に噴出し、とどめようがないよう。ブッカー・リトル(tp)やマル・ウォルドロン(p)などメンバーも、この奇跡的な邂逅にも臆するところなく、肝の据わったプレイを披露しています。

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ジョン・コルトレーン 『ブルー・トレイン』 John Coltrane “Blue Train” 076


ジョン・コルトレーンの唯一のブルーノート盤。#1 “Blue Train” の印象的なイントロで出発、楽曲も粒揃いで、アルバム全体に統一感があり、終着までグルービーに駆け抜けます。そうそうたるメンバーのソロも要所要所で楽しめ、#4 “I’m Old Fashioned” の絶品バラードもあり、ブルーノート録音のハードバップとくれば、本作が人気盤であることも納得でしょう。タイトル、ジャケットも洒落てます。

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マイルス・デイビス 『死刑台のエレベーター』 Miles Davis “Ascenseur Pour L’Echafaud (Lift To The Scaffold)” 082


マイルス・デイビスが映画のラッシュを観ながら即興で演奏し、音楽をつけたというもはや伝説の映画『死刑台のエレベーター』。何かが起こりそうな不穏な雰囲気をかもし出すトランペットの音色は、ジャズのスタイリッシュな魅力を引き出したと言えるのではないでしょうか。自身もジャズを演奏した小説家ボリス・ヴィアンは次のように語っているそうです。

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MJQ モダン・ジャズ・カルテット 『コンコルド』 MJQ (The Modern Jazz Quartet) “Concorde” 086


何と言ってもミルト・ジャクソンの演奏するビブラフォン(鉄琴の一種)の音色が、MJQ(The Modern Jazz Quartet)を特徴づけています。それに、この黒人4人組はビシッっとスーツでキメて、まるでクラシックのように上品にジャズを演奏するという独自のスタイル。品のある演奏するMJQではありますが、#5 “Softly, As in a Morning Sunrise” 「朝日のようにさわやかに」などでは、徐々に熱気を帯び始め、ジャズらしいアーシーな(黒人っぽい)匂いにも魅了されます。

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ジャッキー・マクリーン 『4,5&6』 Jackie McLean “4, 5 and 6” 093


『4, 5 & 6』――数字が並んだちょっと変わったタイトルは、カルテット、クインテット、セクステット……つまり、曲ごとに編成を変えることを表わしています。このコンセプトももちろん楽しめますが、アルバムの冒頭からジャッキー・マクリーンのアルトの音色にどうしても惹き付けられてしまいます。ジャッキーのアルトには、心をダイレクトに震わせるような情感豊かな響きがあるのです。

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